吸入剤乱用

2017/3/16

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

概要

吸入剤乱用とは、揮発性の成分を含む家庭用の製品を意図的に吸いこみ、意識を高揚させることです。ほとんどの場合、吸入剤として使用されるのはエアゾールまたはワックスなどの溶剤を含んだ製品です。

吸入剤を乱用する方法はいくつかあり、製品の揮発性のガスを直接吸う(スノーティング)、布を浸して吸い込む(ハッフィング)、製品を袋に注ぎ吸入する(バギング)があります。吸入剤になりうるものとして、以下のようなものがあります。

・オーブンクリーナー
・接着剤
・スプレー
・修正液
・シンナー

吸入剤を乱用する人は?

ほとんどの乱用者が、ティーンエイジャー(特に12~15歳)です。吸入剤は違法ではなく安価であるため、入手しやすいです。たいてい、アルコールやタバコ、マリファナの前に吸入剤を試します。

子どもから吸入剤を遠ざける一番の方法は、早い段階で吸入剤の危険について子どもに話すことです。「子どもが吸入剤についてよく知ってから話そう」などと考えないでください。薬物に手を出すことのリスクについて子どもに話すことで、子どもが適切な判断ができるようになるのです。

吸入剤の乱用を心配するのはなぜ?

吸入剤を吸い込むことで、心臓の鼓動が不規則になったり、速く、あるいは激しくなったり、突然死することもあります。たとえば、もし子どもが吸入剤でハイになった状態で自動車を運転しようとすると、子どもが落下、火災、自動車事故に巻き込まれる危険性があるのです。
吸入剤は脳をはじめ、体のすべての器官へ酸素の流れを妨げます。さらに、吸入剤を乱用がマリファナや違法ドラッグの乱用に発展していくのです。

症状

吸入剤乱用の兆候に気づくのは難しいものの、吸入剤に手を出しているティーンエージャーは、はじめに頭痛やめまい、記憶障害、睡眠や視力の問題を訴えるかもしれません。

そのほかの特徴として、以下のような傾向が見られます。

・唇や顔があかぎれしている
・手や衣服にペンキのしみがついている
・鼻水がだらだらと流れる
・呼吸から異臭が漂う
・眼が充血している

治療

子どもが吸入剤を使用している疑いがある場合の対処法は?

子どもに向き合い、危険をよく話してください。心配していること、助けたいことを伝えてください。子どもが頭痛やめまいなどの身体的症状を訴えている場合は、病院へ連れて行き、医師が吸入剤を乱用した子どもを扱った経験があるかどうか尋ねてください。また、子どもの学校のカウンセラー、学校の看護師、教師に助けを求めることもできます。

医師に相談するための質問

・吸入剤乱用の危険性は何ですか?
・子どもが吸入剤を乱用しているかどうかはどうすればわかりますか?
・子どもが吸入剤を乱用するのを防ぐにはどうすればいいですか?
・吸入剤になる家庭用品は何ですか?
・子どもに吸入剤乱用の危険をどう伝えるのがいいですか?

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