記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
脊柱側弯症は、脊柱(背骨)が異常に弯曲している症状です。
通常、背骨はまっすぐですが、脊柱側弯症では背骨が曲がり、側方に弯曲します。背骨がひどく曲がっていると、肋骨や腰が片側に突き出ることがあります。また、一方の肩が他方の肩より低くなることがあります。
脊柱側弯症は小児期に始まることがありますが、10代になるまで気付かれないことが多いです。ほとんどの場合、正確な原因はわかりませんが、家族内で遺伝することもあります。男児よりも女児のほうが発症しやすいです。
背骨を見て、弯曲しているか、まっすぐであるかを見てください。また、一方の肩が他の肩よりも低いかどうかを確認してください。
多くの公立学校で、5・6年生の時に脊柱側弯症を検査します。定期検診で検査することもあります。背骨の位置がずれていれば、子どもの背中をみるだけで、脊柱側弯症かどうかを診断できます。体を前屈させてつま先に触れるような姿勢になって検査したり、X線検査で脊椎の弯曲を確認することもあります。
ほとんどの場合、治療は必要ありません。医師による定期検診で弯曲が悪化していないか確認し、それ以上弯曲しないよう装具を着用します。近年の装具は以前の装具よりも軽くてかさばらず、ほとんどの装具は服の下に収まり、見えません。
装具で脊柱の弯曲が治らない場合は、手術が必要なことがあります。手術では背骨を結合して強化したり、棒を添えて背骨をまっすぐにしたりします。
ほとんどの場合、背骨の曲線は非常に緩やかなので問題は生じませんし、背中の痛みを引き起こすことはありません。重度の症例の場合、弯曲が肺や心臓を圧迫することがあります。
・私の子どもの脊椎の曲線はどれくらい深刻ですか?
・装具を着用する必要がありますか?
・手術が必要ですか?
・スポーツや学校活動に参加しても大丈夫ですか?
・子どもの背骨をまっすぐにするのによい運動はありますか?
・脊柱側弯症は長引きますか?