食道閉鎖および気管食道瘻

2017/3/16

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

概要

食道閉鎖症を患っている乳児は、食道と胃がつながっていません。それはちょうど袋の中で終わるので、乳児が嚥下したものが胃に入ることはありません。

気管食道瘻とは?

瘻(ルビ)は、体にあるチューブ同士をつなぐものです。気管食道は、気管(鼻と口を肺に接続する呼吸チューブ)と食道(嚥下チューブ)がつながっている状態です。これらのチューブが通常つながっていることはありません。

これらがつながっていると、食べ物やミルクは、嚥下すると赤ちゃんの肺に入ることがあります。これは呼吸に影響したり、肺炎を引き起こす原因にもなります。

一般的な病気な病気なのか?

約4000人に1人の赤ちゃんが、上記のうちの片方もしくは両方持っています。ほとんどの場合、一緒に起こります。しかし、時折、赤ちゃんには、瘻孔のない閉鎖があります。

原因

原因は、まだはっきりとは分かっていません。子宮内で赤ちゃんの食道と気管が成長し始めるときに、同じ細胞組織から始まったと考えられています。また、呼吸チューブが正しく発達しないこともあります。こうした問題が遺伝するとは考えられていません。

診断

これらの状態の一方または両方を有するほとんどの赤ちゃんには、すぐに摂食の問題が起こります。

また、口の中にたくさんの唾液を吐き出すか、気泡の多い粘液がたくさん出る場合もあります。赤ちゃんに瘻孔がある場合、呼吸が困難な可能性があります。こうした症状が見られたら、医師はX線検査の結果をみて診断します。

治療

治すためには、手術が必要になります。赤ちゃんが閉鎖症の場合は、まず嚥下管と胃をつなぐ必要があります。

次に、瘻(ルビ)が気管と食道をつないでいる場合は、それを閉じなければなりません。赤ちゃんが未熟児でなく、他に問題(肺炎や他の先天性欠損)がない場合、通常、手術は出生数日後に行われます。

どのくらいで治るのか?

合併症のない場合は、手術後1週間以内には食事ができます。赤ちゃんがミルクを飲み込むことができるようになるまでは、静脈(これは「IV」と呼ばれます)または胃チューブを通して給餌されます。この間、赤ちゃんは入院画必要です。

もし、赤ちゃんが未熟児だったり、難しい手術となった場合、回復にもう少し時間がかかるかもしれません。

合併症

食道閉鎖症のある乳児には、心臓、腎臓、胃や腸、または筋肉や骨に問題が起きる場合があります。X線写真や超音波写真を使った身体検査によって、赤ちゃんに他の問題があるかどうかがわかります。

赤ちゃんが他の問題を抱えている場合、嚥下管を固定する手術は、これらの問題が解決するまで待たなければならない場合があります。

将来赤ちゃんには別の問題が生じますか?

食道閉鎖で生まれた赤ちゃんに長期的に起こる問題で最も一般的なものが、胃食道逆流症(GERD)です。GERDは胸やけに似ており、通常は薬で治療することができます。他には、食道が胃につながるところで瘢痕組織が成長することがあります。瘢痕組織が成長してしまうと、食べ物が瘢痕組織を容易に通過することができないため、嚥下が困難にになったり、痛みを伴うことがあります。

この場合、瘢痕組織を開くために別の手術が必要になることがあります。どこを手術したかを確認するために、後でX線や内視鏡検査が必要になることがあります。内視鏡検査では、体の内部を撮影します。小さなカメラのついた細いチューブを食道に入れます。医師はその写真から、食道および胃の内部を観察します。

医師に質問するための事項

・手術以外の選択肢はありますか?
・私の赤ちゃんはどのくらいの期間入院し、どのくらいで回復するでしょうか?
・私の赤ちゃんはどのようなリスクを抱えていますか、また、それらを予防することはできますか?
・この原因は何ですか?遺伝は関係しますか?
・手術後に痛みはありますか?
・回復を助ける薬はありますか?それによる副作用はありますか?

この記事に含まれるキーワード

気管食道瘻(1) 食道閉鎖(1) 胃食道逆流症(3) GERD(1)