毒素性ショック症候群

2017/3/16

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

概要

毒素性ショック症候群(TSS)は、ブドウ球菌(黄色ブドウ球菌)感染症で、重度の症状を引き起こしたり、生命を脅かすこともあります。急速に増殖し、最終的に臓器不全につながる細菌によって引き起こされます。 黄色ブドウ球菌は、女性の膣にみられるものです。 細菌感染が悪化すると血流に入り、毒素性ショック症候群になる可能性があります。
毒素性ショック症候群は深刻な感染症で、症例の50%が死に至ります。 生存しても感染を再発することがあります。

症状

38.9℃以上の発熱は、毒素性ショック症候群のリスクがある人には警告サインといえます。 ほかの症状としては、以下のものがあります。
・頭痛
・嘔吐
・低血圧
・精神錯乱
・下痢
・手のひらや足の裏に赤い発疹がでる
毒素性ショック症候群の症状がある場合は、すぐに緊急治療室に行ってください。 感染症は急速に悪化し、臓器不全や死亡を引き起こす可能性があります。

原因

毒素性ショック症候群は、生理期間中のタンポンの使用に結びつく感染症として、1970年代後半に国民の注目を集めました。 もっと最近の研究では、交換せずに、推奨された時間より長くタンポンを使用すると、黄色ブドウ球菌感染をおこすのに申し分のない環境を作り出すことが報告されていますが、タンポンの使用が唯一の感染経路ではありません。 特定の避妊具が推奨時間より長く使用されると、同じ危険が存在します。
すべてのブドウ球菌感染が毒素性ショック症候群に至るわけではありません。タンポンの使用について言えば、研究者の多くはタンポンを挿入すると膣を傷つけ、感染に対して脆弱になると考えています。 また、人工繊維で作られたタンポンは、100%の綿で作られたタンポンよりも細菌が増殖する可能性が高いと考えられています。
毒素性ショック症候群は、ほかの理由でも起こることがあります。 これは、やけどや外科手術による傷の治りがよくない場合、皮膚感染症の場合、出産直後の場合、また医療用ガーゼで止血したひどい鼻血の場合にも発症する可能性があります。このため、毒素性ショック症候群は男性や子どもでも発症することがあります。

診断

毒素性ショック症候群を速やかに検査する方法はありません。 医師は、血液サンプルまたは感染した傷から採取したサンプルを使って、細菌を検査することができます。 しかし、体がつらいときにこの検査に頼るのは時間がかかり過ぎます。医師は通常、高熱、低血圧、発疹などの症状に基づいて毒素性ショック症候群を診断します。

予防

女性がタンポンを使い続けたいなら、慎重に使うことで毒素性ショック症候群のリスクを減らすことができます。 医師は生理期間中に、以下のことを行う必要があると言っています。
・タンポンとナプキンを交互に使って、細菌が増殖する環境を作らないこと
・吸収量の高いタンポンを使用しないこと
・取扱説明書の指示に従って、頻繁にタンポンを交換すること
・量が少ない日には、タンポンの代わりにナプキンを使用すること
開いている傷や火傷がある場合は、それがきれいに消毒されていることを確認し、感染の兆候(たとえば、赤み、腫れ、または膿)に注意してください。 医師に、黄色ブドウ球菌の感染を避けるために、傷またはやけどの手当をどのようにするべきか質問してください。

治療

毒素性ショック症候群は急速に悪化するため、救急室に到着するまでに重症化することがあります。 到着したら、医療スタッフは水分、抗生物質、血圧の薬を投与するためにIV点滴(静脈内注射)を開始します。 腎臓が機能していない場合は、血漿(けっしょう:血液に含まれる液体成分の一つ)の投与と腎臓の透析を受けることもあります。 タンポンや避妊具であるペッサリー、スポンジ、または子宮頸部キャップなどを装着している場合、それを取り除きます。 感染がケガの傷が原因で起きている場合、傷は完全に消毒されます。容態が安定したら、集中治療室に移動して観察します。

関連質問

毒素性ショック症候群と付き合う

最初の感染から回復しても、重大な問題が起きる可能性があります。これは、生命維持装置の使用や臓器不全の症状からの回復も含むと思われます。

医師に相談するための質問

・タンポンや特定の避妊器具の使用は、どれくらい間隔を空けて使うべきですか?
・傷口から毒素性ショック症候群を引き起こす細菌に感染するリスクを高めてしまう健康状態はありますか?

この記事に含まれるキーワード

毒素性ショック症候群(1) 黄色ブドウ球菌(8) 細菌感染(3) IV点滴(1)