腰痛

2017/3/16

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

概要

多くの人が、腰痛を経験したことがあると思います。腰痛はさまざまな原因によって引き起こされる可能性がありますが、姿勢を改善し、正しく物を持ち上げて運動する方法を学ぶことで、簡単に予防できます。

症状

次のような症状が出た場合は、病院を受診してください。
・膝の下の痛み
・脚、足、鼡径部(そけいぶ)または直腸領域が麻痺している
・発熱、吐き気、嘔吐、腹痛、衰弱または発汗がある
・洗面所や浴室が使いづらくなる
・痛みが負傷によるものである
・痛みはとても強く、動けない
・痛みが2〜3週間後も良くなっていない

原因

筋肉の緊張や痙攣、靭帯の捻挫、関節の症状、椎間板ヘルニアなどの背中の傷害を引き起こす可能性がある要因はたくさんあります。最も一般的な原因は、重い家具を持ち上げたり、庭作業をしたりなど、慣れていない作業をするときです。転倒や交通事故のような予期しない出来事が、腰痛を引き起こすこともあります。
椎間板ヘルニアは、脊椎の骨の間の椎間板が膨らみ、神経を押すときに起こります。物を持ち上げる際の腰のねじれが原因で起きることがよくありますが、椎間板がズレる原因の多くは不明です。ただ多くの場合、ズレた椎間板や腰痛は簡単な方法で緩和することができます。

予防

最善の座り方は?

背中を真っすぐにして腰を支えるように椅子に座ってください。膝を腰より少し高く保ちます。椅子の高さを調整するか、足が少し高くなるように低いスツールを使用してください。腰でねじらず、全身を動かして回してください。
運転するときはまっすぐに座ってシートを前方に動かし、前方に傾かずに手が届くようにします。運転しなければならないまたは長い時間座っている場合は、腰の後ろに小さな枕や巻きタオルを置く場合があります。

立っているときの姿勢は?

長い間立っていなければならない場合は、腰にかかる圧力を緩和するために低いスツールに片方の足をおきます。5〜15分ごとに、スツールにおいている足を切り替えます。良い姿勢を維持してください。頭を上げ腹をとびださせない状態で、耳、肩、腰を一直線に保ちます。

寝るときの姿勢は?

寝るときに最善なのは、横向きになり膝を曲げる姿勢です。首を支えるために頭の下に枕を置くか、膝の間に枕を置くのもいいでしょう。
背中を下にして寝る場合は、膝の下に枕を、腰の下に小さな枕を置きます。腰の下に枕を置かない限り、うつ伏せでは寝ないでください。
また、堅いマットレスを使用してください。マットレスが柔らかすぎる場合は、マットレスの下に7~8センチの合板のボードを敷いて補強してください。

背筋を強化するためにできる対策は?

背中の筋肉を静かに伸ばすために、背中を下にして横になり、膝を曲げて、ゆっくりと左膝を胸に上げます。腰を床に5秒間押し続けます。リラックスしながら右膝に変えてエクササイズを続けてください。各脚を切り替えてこれらの練習を10回行います。
この運動は背中に特有のものですが、活動的な毎日にすることも重要です。スイミングとウォーキングは全身を改善する良いフィットネスです。

治療

腰痛になったとき、どんな体勢をとればいい?

背中の痛みを軽減する最良のポジションは、背中を床にむけて横になり、膝の下に枕を置き、腰と膝を曲げ、足を椅子にかけ、または腰や膝を曲げて横になることです。これで背中から圧力と体重負荷を取り去ります。
背中・腰の痛みのために、1〜2日休息が必要な場合があります。これより長く休むと、筋肉が弱くなり、回復が遅くなる可能性があります。痛い場合でも、1時間ごとに数分歩き、背中の筋肉を強くします。

その他の治療法

温熱パッドは痛い筋肉痙攣を緩和するのに効果的です。一度に20〜30分間使用してください。アイスパックやマッサージもおすすめです。
また、痛みや腫れを軽減する非処方薬は、アスピリン、アセトアミノフェン、ナプロキセン、イブプロフェンなどです。

痛さが継続する場合の治療法は?

背中の問題の治療は、その原因に向けられなければなりません。体重を減らしたり(太り過ぎると腰痛を悪化させることがあるため)、座ったり、立ったり、寝ているときの姿勢を改善したり、といったことが対処法になります。

医師に相談するための質問

・背中の痛みの原因は何ですか?
・痛みを和らげる最良の方法は何ですか?
・腰の負傷をどうやって防ぐのですか?
・どのような練習で体芯より強くできますか?
・他の運動をしても安全ですか?どのような練習をすればいいですか?
・ライフスタイルを変える必要がありますか?

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