記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
強皮症は皮膚病で、一部のケースでは内臓に影響を及ぼす可能性のある慢性(進行性)疾患です。 強皮症は、コラーゲンを過剰に産生する原因となります。 コラーゲンは皮膚などの結合組織を構成するタンパク質ですが、多すぎると皮膚が伸縮・硬化・肥厚し、心臓、肺、腎臓などの内臓が障害される可能性があります。
強皮症には限局的なものと全身的なものと、2種類あります。 限局性強皮症は皮膚のみに影響し、 全身性強皮症は皮膚だけでなく血管や内臓にも影響を及ぼします。
限局性強皮症には2種類あります。
厚く硬化した、楕円形の赤い肌の斑点が出始め、後に斑点は真っ青になります。 斑点は通常、胸部、胃、背部に現れますが、顔、腕、脚にも出ることがあります。
このタイプは複数の斑点を有することがあり、直径が0.5インチから12インチまで拡大することがあります。
この強皮症は、太くて色が変化する線または帯が皮膚に一つ生じます。 線は、腕、脚、額に現れます。 小児に発症しやすいです。
全身性強皮症には2種類あります。
徐々に進行し、指、手、下腕、脚および顔の皮膚に影響を与えます。 限局性強皮症のように、皮膚の斑点は厚く堅くなり、色が変化します。 この強皮症の人はレイノー病を患っている可能性があり、また腸が病気の場合、頻繁に胸焼けが起きるかもしれません。
肺、食道および血管に影響を及ぼすこともあります。
急速に進行します。 疲れて、食欲がほとんどなく、関節の腫れや痛みを経験するかもしれません。 全身の皮膚に影響を与え、腫れて固くなり、かゆくなります。 最終的に皮膚は正常に戻ることがありますが、腸、肺、腎臓、心臓などの内臓にも損傷を与えることがあります。
誰でも発症する可能性がありますが、女性の方が可能性が高いです。
強皮症の原因は明らかになっていませんが、自己免疫疾患に分類されます。通常、免疫系によって産生される抗体はウイルス、細菌などの異物から身体を保護しますが、自己免疫疾患がある場合、体の組織や器官を攻撃する抗体を産生します。
症状や病歴を問診した上で、身体検査を行い、肌の見た目の変化を確認します。顕微鏡で検査するために、皮膚のサンプル(生検)を採取することもあります。また、強皮症を示唆する抗体や、内臓が何らかの影響を受けているか検査するために血液検査をすすめることもあります。
限局性強皮症の場合、明確な治療法はありませんが、自然消滅することがあります。 治療にあたっては症状の緩和と、皮膚や器官への大きな損傷の予防を目標とします。 個人の症状に応じて、医師が適切な治療法を選択します。 強皮症によって内臓が障害されている場合、他の専門家と協力しながら治療するケースがあります(心臓に影響がある場合は、心臓専門医との連携など)。
痛みの緩和に効果がある理学療法や作業療法が推奨されたり、美容整形で皮膚の見た目を大幅に改善させることもあります。
・どのタイプの強皮症ですか?
・私の強皮症は悪化するでしょうか?
・症状を緩和する、おすすめの治療法はありますか?
・どんな薬を服用すればよいですか?
・強皮症の合併症はありますか?
・手術を受けるべきですか?
・どんな症状が強皮症に関連していますか?
・専門家に相談する必要がありますか?
・子どもは強皮症にかかりやすいですか?