下垂体機能低下症

2017/3/28

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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概要

下垂体機能低下症は、下垂体腺が十分な下垂体ホルモンを作れず、からだの機能に影響を受ける障害です。

症状

症状は、徐々にあらわれますが経時的に進行する傾向があるため、数カ月間見過ごされることもあります。下垂体機能低下症は、年齢、性別に関係なく以下の症状がみられます。
・腹部の不快感
・便秘
・顔面のむかつき
・疲労
・頭痛
・ひどい声
・低血圧
・食欲減少
・脇の下および陰毛の喪失
・筋肉の衰弱
・吐き気
・寒さへの感受性または暖かい場所での滞在困難
・関節のこわばり
・渇きと排尿過多
・極端な体重減少または増加
・視覚の問題
・勃起(ぼっき)不全
・顔の毛または体毛の減少
・性的活動への関心の喪失
・母乳がでない
・不妊
・月経不順
・成長が遅く、低身長
・性的発達の遅れ
重度の頭痛、視覚障害、錯乱、血圧降下など、ある種の下垂体機能亢進症の症状が突然発生した場合は、直ちに医師に相談してください。
これらの症状は、重篤な状態である脳下垂体卒中の突然の出血の徴候であり得ます。

原因

下垂体の腫瘍や、視床下部の疾患、脳下垂体のすぐ上に位置する脳の部分によって引き起こされます。
その他の原因としては、
・脳腫瘍
・脳手術
・頭部外傷
・脳の感染、例えば髄膜炎
・放射線治療
・脳卒中
・結核
・サルコイドーシスや組織球症Xなどのまれな疾患
があります。

診断

血液検査や脳のコンピュータ断層撮影(CT)または核磁気共鳴画像(MRI)検査や視力検査を行います。小児では、X線撮影で骨が正常に成長しているかどうか調べます。

治療

腫瘍が下垂体機能低下症を引き起こしている場合、手術または放射線療法を行います。治療後も下垂体ホルモンを十分に産生しない場合、以下のホルモン補充薬が処方されます。
・コルチコステロイド(プレドニゾンやヒドロコルチゾンなど)
・デスモプレシン(DDAVP)
・成長ホルモン(ソマトロピン)
・レボチロキシン
・性ホルモン剤(テストステロン、エストロゲンまたはエストロゲン/プロゲステロンの組み合わせ

医師に相談するための質問

・可能性のある原因は何ですか?
・血液検査の結果から何がわかりますか?
・最良の治療法は何ですか?
・手術が必要ですか?どのようなリスクがありますか?
・薬を飲む必要がありますか?
・私は緊急事態に陥るリスクがありますか?医療警告ブレスレットを着用する必要がありますか?
・症状が悪化していることを示す徴候は何ですか?
・長期の病気の危険にさらされていますか?

この記事に含まれるキーワード

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