記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
肩関節不安定症とは、肩が少しずれているときや、肩の骨が安定していない状態で、「ルーズショルダー」とも言われます。
主な症状は、肩の痛みです。 痛みは突然に、またはゆっくり始まることがあります。突然に発症した場合は、腕の下まで麻痺することもあります。
時間の経過とともに肩関節不安定症が緩やかになると、特定の時点でのみ痛みを感じるようになります。ボールを投げたりするときには痛いかもしれませんが、突然のケガの痛みほどではありません。肩を動かすと、肩は痛むかもしれません。関節にゆるみがあるような、 あるいは腕力が弱くなったような感覚があるかもしれません。
肩関節不安定症は脱臼の兆候に似ていますが、脱臼は肩が完全に外れたときに起こり、肩の靭帯(じんたい)は引き裂かれ、関節を所定の位置に保つことができなくなります。
一方、肩関節不安定症は、靭帯およびその周囲の筋肉が弱くなったときに起こり、靭帯や筋肉が伸び過ぎて弱くなることです。 ボールを投げたり、サッカーの試合などで肩を強く打ちつけたり、バレーボールをしたりすると、肩の筋肉や靭帯が伸び過ぎて痛みを伴います。
医師は、肩や腕を動かして不安定の兆候を調べ、さらにX線撮影や核磁気共鳴画像(MRI)で骨や肩のほかの部分を重点的に調べます。
治療は、症状の度合いや肩の強さによって異なりますが、理学療法や手術が必要になるかもしれません。
運動をやめ、肩を傷つける可能性のあることを避けます。
運動やほかの活動を続けるには、肩の筋肉をより強くするため、筋肉に負荷をかける運動やウェイトリフティングなどができるかどうか医師に相談してください。
・肩関節不安定症の原因は何ですか?
・最良の治療法は何ですか?
・理学療法が必要ですか?
・症状が緩和されるまでにどれくらいかかりますか?
・運動をしていますが、いつになったら通常の運動レベルに戻ることができますか?
・症状が回復する可能性はありますか?
・運動するのは安全ですか? どのような運動をすればいいですか?