エキノコックス症

2017/3/21

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

概要

エキノコックス症は、エキノコックスの卵で汚染された食物や水を食べることによって生じる感染症です。この寄生虫は、犬や一般的な家畜、とくに羊に見られるごく小さな条虫(じょうちゅう)です。
ヒトでの感染はまれですが、重篤な場合があります。条虫の卵を食べた後、臓器(肺、脳、肝臓など)に定着し、大きな嚢胞(のうほう)を形成する可能性があります。
治療せずに放置すると、この感染で死ぬ可能性があります。エキノコックス症は、包虫症とも呼ばれます。

症状

エキノコックス症は、嚢胞(のうほう)がゆっくりと増殖するため、10年または20年間は何の症状も生じません。症状が現れると、以下のようなものが生じることがあります。
・腹痛
・胸の痛み
・咳が止まらない
・意図しない減量
・脱力感
・黄疸(肌と白目部分が黄色になる)
・熱
・血便
・頭痛
・発作

原因

この病気は、人間が犬や家畜に密接に接触する場所ならどこででも見つかっています。
人間は、感染した犬や家畜のふんで汚染された食べ物や水を摂取すると、エキノコックス症を発症する可能性があります。また、感染した犬や家畜と遊んだり、触れたりしてもこの病気にかかります。

診断

嚢胞はX線で見つかることが多いです。あるいは、コンピュータ断層撮影(CTスキャン)または磁気共鳴イメージングスキャン(MRI)で検出することもできます。場合によっては細い針で嚢胞を刺し、嚢胞内の体液を取り出してエキノコックス症に感染しているかどうかを検査します。

予防

家畜が飼育されていたり、犬と接触する地域に住んでいる場合は注意が必要です。犬には、条虫を取り除いたり予防したりして、日常的に寄生虫を寄せ付けないケアを行ってください。ペットに触れた後は、必ず手を洗ってください。ペットと野生動物を避けるために、庭にフェンスを設けてください。果物や野菜を食べる前に、必ず洗ってください。

治療

この病気の治療法は、嚢胞の位置とそれが引き起こす症状によって異なります。
寄生虫によって引き起こされる感染症を治療する薬物は、駆虫薬と呼ばれています。これらには、アルベンダゾール、メベンダゾールおよびプラジカンテルが含まれます。より重度の症例では、嚢胞を取り除くための手術が必要な場合があります。条虫が再び寄生するのを防ぐために薬が必要な場合があります。

医師に相談するための質問

・犬と一緒に寝てもいいですか?
・犬と一緒に遊んだり、糞を拾ったりするときには、手袋を着用すべきですか?
・どのような治療法が最適ですか?
・一度治っても、エキノコックス症が再発しますか?
・エキノコックス症がないことを確認するために何ができますか?
・家族にエキノコックスが感染することはありますか?
・家畜と一緒に働いています。エキノコックス症について検査すべきですか?

この記事に含まれるキーワード

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