記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
ロタウイルスは、一般に胃や呼吸器の疾患を引き起こすレオウイルス科のウイルスの一種です。大半の場合、乳児や幼児がかかります。伝染性があり、感染者の糞便と接触することによって広がります。汚れた物、飲食物、または感染者の手や口に触れることで間接的に発症することもあります。
汚れた手のまま鼻や口に触れることでウイルスが体内に入ります。成人が感染し、最も流行するのは11月から翌年5月の間ですが、症状は軽度です。
軽度の症状としては、発熱、嘔吐、水様の下痢、胃痛が挙げられます。 子どもがロタウイルスにかかると、衰弱して大泣きすることもあるでしょう。より重篤な症状としては、嘔吐や下痢による脱水症状があります(3〜8日間続きます)。
通常、症状や検査によって子どものロタウイルスを診断します。 その場で医師が断定できない場合は、便のサンプルを採取し、検査室にて検査することもあります。
ロタウイルスの経口ワクチンに、一定の効果があると考えられています。
投与スケジュールが2種類あり、1つは2ヶ月と4ヶ月の乳児に、もう1つは2,4,6ヶ月齢で与えられます。 どちらが適切かは、医師の見解に従ってください。8ヶ月になる前にすべての用量を服用する必要があります。
ただ、ワクチンは100%有効というわけではなく、接種後も再発することがあります。 しかしワクチン接種を受けた子どもは、受けていない子どもに比べ重症度が低くなります。
予防接種以外で最も簡単で効果的なのは、手洗いです。 赤ちゃんがウイルスに感染しているかどうかに関わらず、おむつの交換後は、あなたも赤ちゃん自身も必ず手を洗ってください。ロタウイルス感染者と一緒にいる場合、その人やその人の物に触った後は手を洗ってください。
ロタウイルスはウイルスのため、抗生物質で治療することはできません。 医師が特に推奨するのは発熱と下痢の治療で、脱水症状が起こる重度の症例の場合は、水分補給を重視します。自宅でも少量のかき氷やアイスキャンディーを食べさせれば、子どもの水分を増やすことができます。 症状が深刻な場合は、病院で静脈注射を受ける必要があります。
ロタウイルスにかかった状態での生活は、短期間であっても、子どもと看病するあなたにとって落ち着かないものになります。 優先事項は子どもを快適にし、家庭内で伝染しないようにすることです。