くる病

2017/3/21

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

概要

くる病とは、骨が軟化し折れやすくなる病気です。 主に子どもにみられます。

症状

くる病は成長の遅れ、背骨と骨盤と脚の骨の痛み、筋肉の衰弱を引き起こしたり、虫歯や歯並びなど子どもの歯の問題につながる可能性があります。

原因

大半の原因がビタミンDの欠乏によるものです。食物からカルシウムとリンを骨に吸収するサポートをするのが ビタミンDのため、不足すると骨が脆くなってしまいます。なお、くる病は家族内で遺伝することもあります。

骨が急成長する、6ヶ月から24ヶ月の子どものリスクが最も高いです。以下の項目に当てはまる場合、リスクが高いといえます。

・ほとんど屋外で日光を浴びない、日焼け止めをしない
・ビタミンD、カルシウム、リンを含む物を十分に食べない
・母乳にビタミンDの補給がない

診断

家族の病歴、子どもの健康状態と食事について問診し、全身の身体検査を行う必要があります。 腕や脚の血液検査やX線検査も、診断に役立ちます。

治療

子どものくる病のタイプにより、治療法は変わります。

栄養欠乏に起因する場合、ビタミンDとカルシウムで治療します。 痛みや筋肉の衰弱は、治療後の数週間で良くなるケースがほとんどです。

遺伝によるものであったり、別の病気が原因の場合は、くる病の専門医に相談する必要があります。

なお、くる病により骨が変形した場合、矯正器具または外科手術を必要とする場合もあります。

予防

子どもが栄養面によるくる病にかからないためにはどうすればいいですか?

子どもが十分なビタミンDとカルシウムを摂取しているか、確認してください。

授乳中、もしくは1日に16オンス未満の調整ミルクしか飲まない赤ちゃんの場合は、ビタミンDを含むビタミン補給剤が処方されます(母乳は少量のビタミンDしか含まないため)。

その他の子どもには、ビタミンD強化食品(朝食用シリアルやオレンジジュースなど)、カルシウムが多い食品(ミルク、チーズ、サラダなど)の摂取を推奨します。なお、医師が推奨する場合を除き、子どもにビタミンサプリメントを与えないでください。

子どもにはどのくらいの時間の日光浴が安全かは、医師が教えてくれます。 幼児と赤ちゃんは直射日光を浴びるべきではない点も注意してください。

医師に質問するための事項

・私の子どものくる病の原因は何ですか?
・最善の治療法は何ですか?
・私の子どもはビタミンDまたはカルシウムサプリメントが必要ですか?
・十分なビタミンDをとるため、自宅で何ができますか?
・子どもが一定時間、日焼け止めなしで太陽の下に出ても大丈夫ですか?
・くる病の合併症は何ですか?病気が長引く可能性はありますか?

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