裂肛

2017/3/21

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

概要

裂肛は、下部直腸の薄い湿った粘膜の小さな亀裂または裂傷です。

症状

裂肛の最も一般的な症状は、肛門およびその周辺の痛みです。排便時の痛みや出血の原因にもなります。

原因

裂肛は通常、排便中のいきみにより、肛門管の損傷を引き起こします。また、下痢を繰り返すことでその部位への血流が低下し、出産後やクローン病の人に起こることがあります。

診断

直腸検査で診断をします。直腸検査では、肛門管の中に潤滑剤をつけた手袋をはめて指を挿入し検査を行います。なお、亀裂を見るためには視診が必要です。

治療

裂肛の約半分は自然に治癒し、治療を全く必要としません。裂肛が自然に治癒しない場合、ほかの治療法として硝酸塩やカルシウムチャネル遮断薬などのクリームが処方されるケースや、肛門の筋肉(肛門括約筋)にボトックス注射をするケースがあります。
肛門の筋肉を弛緩させる軽度の手術を実施する場合もありますが、これは最後の手段です。

予防

便通を定期的に保ち、便秘を避けることで予防できます。 
毎日の食事に果物、野菜、全粒粉を加えて、十分な繊維を摂取してください。毎日運動をして水分をたくさん摂ることで、消化器系の働きを安定させます。

関連知識

裂肛になってからの生活のヒント

医師に処方された軟下剤を使えば、裂肛が治癒している間にトイレに行けるようになり、痛みを和らげることができます。また、麻酔クリームで便通時の苦痛をより少なくすることもできます。ヒドロコルチゾンクリームといった製品も痛みの緩和に効果的です。

また、トイレではトイレットペーパーの代わりに、ノンアルコールのお尻拭きを使うといいでしょう。

腰湯もおすすめです。裂肛を治し、回復するのに役立ちます。腰と臀部が浸かるのに十分なぬるま湯を浴槽に満たしてください。なお、医師の指示がない限り石鹸や泡などの製品を使用しないでください。一回あたり約10分間の腰湯でリラックスしてください。

過去に裂肛を発症した人は将来的に再発する可能性が高いので、排便を定期的に保つことが重要です。便通中の痛みを恐れて排便を我慢しようとする人もいますが、我慢すると便がより硬くなり、裂肛が悪化します。そうならないためにも、繊維質の多い食事とたくさんの水分をいつも摂るように心がけましょう。

医師に相談するための質問

・食物繊維を摂るにはどのような食べ物がよいですか?
・下剤を使うべきですか?
・繊維サプリメントを使うべきですか?
・裂肛を発症しているときにはどんな製品がおすすめですか?

この記事に含まれるキーワード

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