良性の乳房疾患

2017/3/27

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

概要

良性乳房疾患は、癌ではない女性または男性の乳房のしこり、嚢胞(ルビ)、または乳頭からの分泌(液体)を指します。 様々な良性乳房状態が存在します。

乳房の線維囊胞性変化

乳房のしこりに触れ、しこりは繊維性のゴムのような厚い組織または液体で満たされた嚢胞でできています。

線維腺腫

小さくて丸い、動く大理石のようなものが乳房の中にあると感じるでしょう。

嚢胞

乳房内の液体で満たされたしこりで、触れると軟らかくなる場合があります。 月経のたびにそれらが現れ、消えることに気付くかもしれません。

乳房炎

乳房のしこりを感じるかもしれません。 しこりは赤くて熱をもっていることもあり、 発熱を伴う場合もあります。

脂肪壊死

丸くて硬く感じることがあるしこりです。 脂肪組織が硬くなったときに起こります。 過度に太っている女性によくみられます。 時々、これらのしこりは、乳房の損傷が原因となります。 それは脂肪で満たされているかもしれません。

乳頭分泌

乳頭から出る液体の色が透明または乳白色の場合は、ホルモンの問題を表しています。 排出液が緑黒色である場合、それは乳管のつまりがある可能性があります。排出液が血性の場合は、損傷、感染、あるいは良性腫瘍と関連する可能性があります。 また、乳癌と関連している可能性もあります。

石灰化

乳房に小さな硬い点を感じることがあります。 それは乳房の中に残った、硬化したカルシウム沈着物のためです。多量のカルシウムを食べたり飲んだりしてもそれは起こらりません。 ほとんどが良性です。 しかし、一部の石灰化は癌の徴候となり得ます。

過形成、アデノーシス、乳管内乳頭腫、および脂肪腫

これは比較的まれな良性の乳房状態です。乳房の痛みやしこりを感じるでしょう。

男性の女性化乳房

この良性の乳房状態と診断されると、男性の乳房は腫れて軟らかく感じられるでしょう。

しこりを感じたり、医師が定期的なマンモグラフィー(乳房のX線検査)で痛みの原因を診察しない限り、検出不能なものもあります。

原因

良性の乳房状態は、一般的にいくつかの要因によって引き起こされます。 これらの要因には、乳房(脂肪組織と高密度または厚い組織)の構成、年齢、ホルモンの問題、ホルモン療法、避妊薬、妊娠、閉経、肥満、感染症、母乳育児などがあります。男性の良性乳房状態、女性化乳房は、ホルモンバランスの不調によって引き起こされます。 ホルモン療法、いくつかの病気、重度の過体重によって引き起こされることもあります。

診断

自分自身で乳房の問題に気づくことがありますが、場合によっては、定期検診の際に医師から告げられることもあります。 受診時には、病歴や、乳がんや他のがんになった家族がいるかを聞いて、乳房の身体検査を(触診にて)行います。
癌を除外するためには、さらなる検査が必要かもしれません。 それにはマンモグラフィー、超音波、しこりを取り除く手術、または生検または吸引により行われます。

治療

乳房の線維嚢胞性変化

乳房にたまった液体を減らすために、避妊薬の服用をすすめられることがあります。

線維腺腫

痛みがある場合は、医師が外科的に取り除くことがあります。

嚢胞

痛みの原因となる液体の一部を引き出すために穿刺吸引針を使します。

乳腺炎

感染症であるため、医師は抗生物質を処方し、温かい布をしこりに貼って乳房の痛みを和らげるようにします。

脂肪壊死

通常、脂肪壊死は治療を必要としません。 液体(オイル嚢胞と呼ばれます)が含まれている場合、医師は穿刺吸引によって嚢胞から液体を排出する可能性があります。

乳頭分泌

治療は乳頭分泌の原因(しこり、感染、または癌)に関連します。

石灰化

マンモグラフィー上のこれらの小さな白い点を見ることがあります。癌が疑われる場合は、外科的または細針による生検を行います。

過形成、アデノーシス、乳管内乳頭腫、および脂肪腫

痛みや不快感に基づいて、外科的に除去することを推奨される場合があります。

男性の女性化乳房

痛みを引き起こさない限り治療する必要はありません。 一部の男性は、組織を外科的処置またはホルモンで減らすことを選択します。

予防

良性の乳房状態を完全に予防することはできません。家族の遺伝子は乳房の健康に最も大きな影響を与えます。 ただし、特定の条件のリスクを軽減することができます。 例えば、良性の乳房状態が過体重に起因する場合、体重を減らすことでリスクを減らすことができます。 ホルモン剤や避妊薬を服用している場合は、リスクを軽減するための治療法について医師に相談してください。

医師に相談するための質問

・しこりを感じた後に医師に診てもらうまでどれくらい待つべきですか?
・良性の乳房状態は遺伝性ですか?
・検討すべき遺伝子検査はありますか?
・マンモグラフィーは重大な放射線被ばくになりますか?
・生検した箇所の周囲が数日後に赤くて痛みが出た場合は心配すべきでしょうか?
・乳房縮小は、良性の乳房状態のリスクを減らすことができますか?
・乳房インプラントを入れている場合、どのようにしこりを見つけるのですか?

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