記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
拒食症という言葉はある程度一般的なものになってきています。拒食症という言葉を知らないという人は少ないでしょう。ただ、拒食症になるとどのような症状や変化が起きるかについては、わからないという人のほうが多いのではないでしょうか。
この記事では、拒食症の症状や拒食症の人に現れやすい態度や心理的な変化について解説していきます。親しい人の変化にいち早く気づけるようにするための参考にしてください。
拒食症は摂食障害の一種で、過度に痩せることで他の病気を引き起こしたり、最悪の場合は命を落としたりすることもあります。
拒食症患者は名前の通り「食べることを頑なに拒否」し、体重や脂肪が増えることを過剰に恐れています。たとえ客観的に見てすごく痩せていたとしても、本人は「自分は太っている」と思い込んでいます。
拒食症をはじめとする摂食障害は、男性よりも女性の方がかかりやすい傾向があります。俳優、モデル、ダンサーなど外見や体重が重要視される職業の人はとくに発症例が多いです。
拒食症の人は学校や職場などで非常に優れた成績をあげている傾向があり、強迫観念や不安症、抑うつ症状の傾向もあります。
体重や見た目が気になりやすい思春期に発症しやすいですが、何歳であっても発症する可能性があるので注意が必要です。
拒食症の原因ははっきりとわかっていませんが、人格的な要因や感情、思考パターン、環境的要因や遺伝的要因などが組み合わさった結果として引き起こされるのではないかと考えられています。
具体的には、以下のような感情や体験、環境の変化が関係していることが多いようです。
拒食症を発症すると生活や考え方などに次のような変化が現れます。
これらの変化がある方は拒食症を発症している可能性があるため、放置せずにできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。
ショックなことがあったり、落ち込んだりしたときに、一時的に食欲がなくなることは当然のことです。ただ、食べない状態が長く続いたり、隠れて食べておう吐を繰り返しているなどが続くと、心身に異常をきたしかねません。拒食症を自覚することは難しいのです。身近な人に思い当たる症状や変化が見られるときが、早めに病院を受診するように促してあげましょう。
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