消化不良が原因の便秘の改善方法とは?食物繊維は摂ってもいいの?

2017/6/26 記事改定日: 2018/9/26
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

消化不良になると吐き気、胸やけといった症状の他に、便秘になる場合もあります。
では、このような便秘をどのように解決すれば良いのでしょうか?
通常の便秘解消方法もあわせて紹介していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

便秘を解消するには、食物繊維が大切

便秘を解消するには、「食物繊維の摂取量を増やすこと」が大切です。食物繊維は、便をやわらかくすることで排泄を楽にする働きがあり、水分はその働きを助けるといわれています。

野菜、いも類、穀物

すべての野菜には多くの食物繊維が含まれています。ホウレンソウ、トウモロコシ、ブロッコリー、ジャガイモ、アーティチョークのつぼみ、は特に食物繊維が豊富です。

ドライフルーツ

ほとんどすべてのドライフルーツには食物繊維が含まれています。たとえば、プルーンは消化を助ける効能があることで有名です。その他にも、乾燥イチジク、ナツメヤシ、レーズン、アプリコットを間食として取り入れましょう。
ただしドライフルーツは少し糖分が多いこともあるので注意しましょう。

豆類、ナッツ類

アズキ豆や白いんげん豆、レンズ豆、ナッツ類などは、食物繊維とタンパク質が多く含まれています。

便秘解消には、たっぷりと水分を補給することも大切!

食物繊維と同じくらい大切なのが水をたくさん飲むことです。水分を補給することで老廃物が消化器系を通過しやすくなり、柔らかく排泄しやすい便になります。十分な水分量を摂るための良い方法は、毎回の食事で1杯の水を飲むことです。ただし、胸やけを起こす可能性があるためカフェイン入りの飲み物は避けましょう。毎日の生活の中で水分をたくさんとる方法については、以下のヒントを試してみてください。

おすすめの水分補給方法

  • 断熱ボトルを持ち運び定期的に水分を補給する
  • 職場の机の上には常にコップに水を注いでおく
  • 寝室のベッドの脇に水を置くようにする。(朝は脱水症状になりがちなため)
  • 毎日飲む炭酸飲料やコーヒーを水に切り替える
  • 1日中少しずつ飲み続ける(一気にコップ6杯の水を飲むことは勧めません)

簡単に水分が足りているかをチェックするには、尿を見て判断する方法があります。尿が透明または非常に明るい黄色でほとんど匂いがなければ、水分が十分に取れています。反対に尿が濃くて、臭いが強ければ水分が不足している可能性があります。

ただし、不溶性食物繊維の食べ過ぎには注意!

食物繊維の中でも、不溶性食物繊維は摂りすぎると便秘を悪化させることがあるので注意が必要です。
不溶性食物繊維はその名の通り、「水に溶けない食物繊維」です。このため、便の量を増やし、適量であればいわばスポンジのように大腸内の便を一掃する効果があるため、便秘の改善によい食材とされています。

しかし、不溶性食物繊維のみを多量に摂ると、便の量だけが増え、便を柔らかくする水溶性食物繊維や水分の摂取量が少ないと、大腸内に溜まった便が排出されづらくなって逆に便秘を悪化させることがあるのです。

不溶性食物繊維を多く含む食材には、玄米やサツマイモ、にんじん、ごぼう、小松菜などが挙げられます。便秘に悩んでいる人は不溶性食物繊維を摂りすぎないようにしましょう。また、不溶性食物繊維を多く含む食事を摂る場合には十分な水分を摂って、海藻類や大豆製品、果物、きのこなど水溶性食物繊維を多く含む食材もバランスよく摂るようにしましょう。

消化不良のときには、どんな食べ物で食物繊維を摂ればいいの?

消化不良のときには、食物繊維の中でも水溶性のものを摂るようにしましょう。水溶性食物繊維は、海藻類や大豆製品、きのこ、果物、穀類などに多く含まれています。
また、生の状態や固い状態でこれらの食材を食べると、消化に時間がかかって胃や腸に負担をかけることになりますので、お粥やスープなどのように柔らかくあっさりとした味付けで煮込んで消化を良くした調理方法がおすすめです。

胃腸が疲れ気味で便秘という人におすすめのレシピ

胃腸が疲れ気味で便秘にも悩んでいると言う人は、まずは食生活の改善を行ってみましょう。症状の改善には、水溶性の食物繊維を多く含み、消化のよい食材を含んだメニューがよいですが、ここでは症状改善のためのおすすめレシピを2つご紹介します。

鳥団子雑炊

胃腸が弱っている時にも、スタミナのあるお肉は食べたくなるものですよね。お肉は消化に時間がかかりますが、細かくなったひき肉を使用することで胃腸への負担を抑えることができます。

鶏むね肉のひき肉、刻んだ玉ねぎやキャベツと卵を混ぜ合わせてまとまりができるまでよくこねます。お好みに合わせて塩コショウで味付けしましょう。
だし汁に、鳥団子のタネを適当な大きさに丸めて投入し、よく火を通します。出てきたアクは適宜取りましょう。そして、鳥団子に火が通ったら炊いたご飯を投入してとろとろになったら完成です。

キノコペペロンチーノ

水溶性食物繊維を豊富に含むキノコが主役のメニューです。便秘解消効果のあるオリーブオイルを使用することで、便秘解消効果はさらにアップします。

まいたけやえのきなどのお好みのキノコを適当な大きさに切ります。オリーブオイルをよく熱して、ニンニクを投入して香りを立たせます。ニンニクが苦手という方はこの段階でニンニクを除いてください。次に、キノコを投入してしんなりするまでよく炒めます。全体に火が通ったら、しょう油などで適当に味付けをして完成です。

おわりに:消化不良や胃腸の疲れが原因の便秘は、食物繊維の選び方に注意

便秘解消には食物線維と水分を十分に摂ることが大切です。
ただし、胃腸が疲れているときや消化不良の時に食物繊維を摂りすぎると逆に便秘が悪化する可能性があります。
胃腸が疲れ気味と感じている場合は、適した食物繊維を選ぶようにしましょう。

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