記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2026/8/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
急な発熱や腰痛は比較的よくある体調不良のため、軽く考える人もいるかもしれませんが、腎盂腎炎などの治療が必要な疾患が原因で起こっている可能性があります。腎盂腎炎は、治療が遅れると深刻な状態に陥ることもあるため早期発見と予防対策が大切になってきます。この記事では、腎盂腎炎の特徴について解説していきます。
人間の血液は腎臓を通って尿になり、尿管へ向かいます。腎臓内部の尿管とすぐ繋がっている部分を腎盂といいます。この腎盂や腎臓の実質まで細菌感染を起こした状態が腎盂腎炎になります。健康な人間の体では、尿の通り道は概ね無菌状態になっています。しかし、大腸菌などの腸内細菌のような「何らかの細菌」が尿道に侵入すると膀胱炎などを発症し、その後腎盂腎炎を発症することがあります。腎盂腎炎には急性と慢性があり、単純性と複雑性に分けることもできます。
単純性腎盂腎炎とは、尿の通り道に特に異常がないが発症した腎盂腎炎のことを指し、若い女性に多く起こります。対して複雑性腎盂腎炎は、尿の通り道に何らかの解剖学的な異常があるものを指します。例えば高齢者では尿路の悪性腫瘍や結石、小児では尿路の先天異常が挙げられます。高齢者や小児に多く、発症すると細菌を尿の流れで洗い流す仕組みが障害されます。
腎盂腎炎では様々な症状が生じますが、大人と子どもでは症状の現れ方が異なることがあります。まず大人では、腰痛・側腹部痛・血尿・頻尿・排尿時痛・残尿感などの身体症状が現れ、続いて発熱・倦怠感・吐き気などの全身症状が現れることが多いといわれています。高齢者では目立った発熱が現れないこともあります。一方、子どもの場合には、腹痛や尿の異常などの局所的な症状より、発熱・吐き気・食欲不振などの全身症状が目立つことが多く、発症を見逃されやすいという特徴があります。
尿路感染症のうち、腎盂腎炎か膀胱炎かを判断するときには、発熱などの全身症状の有無が重要になるといわれています。例えば、膀胱炎では熱が出ないことが多く、排尿時に痛みがあったり排尿回数の増加が見られますが、腎盂腎炎はこのような症状に加え発熱などの全身症状が現れます。一般的に、診断のためには尿検査・血液検査が必要になります。
治療の際は、抗菌薬による薬物療法を行った上で、尿路から細菌を出すために水分を多く取ってもらうことなどが指導されます。早期に治療を開始できればれ3日から5日程度で熱が下がり回復しますが、治療が遅れると入院が必要になることもあります。
腎盂腎炎は、尿道から膀胱、尿管、腎臓へと感染が広がることで発症します。本来、これらの尿路は無菌状態なのですが、陰部に付着した大腸菌などが尿道へ侵入し、感染が広がっていくことがあります。腎盂腎炎を予防するには、陰部を清潔に保つことが大切です。女性は尿道が短く、尿道と肛門が近くにあるため、男性よりも腎盂腎炎を発症しやすいといわれています。
排便後はしっかりと汚れを落とし、入浴時は泡立てた石けんで汚れを洗い流しましょう。また、生理用ナプキン・タンポンを長時間使用すると、細菌が繁殖しやすくなるため、こまめに取り替えることも大切です。尿路結石が原因になることもあるため、十分に水分をとり、脂肪・糖分・塩分の多い食事を控えるようにしましょう。
腎盂腎炎は、治療が遅れると重症化することがあります。気になる症状に気づいたときは、早めに医療機関を受診しましょう。子どもは発見が遅れやすいため、特に注意するようにしてください。また、陰部を清潔に保ち、水分を十分に摂るなどして膀胱炎などを予防することは、腎盂腎炎の予防にもつながります。
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