若年性関節リウマチ(若年性特発性関節炎)とはどんな病気?

2017/9/1 記事改定日: 2018/12/26
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

関節リウマチは、関節の変形や痛みで日常生活にも支障をきたすこともある怖い病気です。では、若年性関節リウマチ(若年性特発性関節炎)の場合はどうでしょうか?
若年性関節リウマチの症状や治療について解説していきます。

若年性関節リウマチは完治する?

若年性関節リウマチとは、16歳未満の子供が6週間以上に及ぶ関節の炎症やこわばりを起こし、原因が特定できない病気のことです。

いわゆる成人の関節リウマチの多くは、一生付き合っていくことになりますが、若年性関節リウマチは成長とともに症状が改善されていき、成人期を迎える頃には症状が出なくなり完治することが多いといわれています。

若年性関節リウマチの症状の特徴

若年性関節リウマチは明確な発症メカニズムは解明されていませんが、自己免疫の異常によって関節炎を生じる病気です。

16歳未満の小児に発症する病気で、関節炎だけでなく全身に様々な症状が生じる「全身型」と全身症状がない「関節型」があります。

初期症状としては、「全身型」では数週間にわたる高熱の持続・リンパ節の腫れ・皮疹などが見られます。また、進行すると肝臓や脾臓の腫れや心膜炎などの重篤な症状を生じることもあります。発症初期には風邪と思われるケースが多いですが、5日以上続く発熱には注意が必要です。

一方、「関節型」では全身症状は稀で関節の痛みや腫れ、朝のこわばり、関節可動域の低下などが見られます。進行すると脱臼を生じた関節変形を来たし、日常生活の支障を来たすことになります。

若年性関節リウマチは進行して障害を残す前にしっかりと治療を行うことが大切です。原因不明の長引く高熱や関節の痛みなどが見られる場合には早めに病院を受診して検査を受けるようにしましょう。

若年性関節リウマチの原因

若年性関節リウマチは、自己免疫疾患の一種です。免疫システムが健全な細胞や組織を攻撃したことが原因で、炎症が引き起こされます。

なぜそれが起こるのかまでは正確にはわかっていませんが、現段階では「若年性関節リウマチを発症しやすくする遺伝子中の要因」と「ウイルスなどの別の感染源」が関連しているのではないかと考えられています。

若年性関節リウマチの診断

若年性関節リウマチは、診断が困難な疾患といえます。また、発症しても子供が痛みを訴えないこともあるため、症状に気がつかない保護者の方も少なくありません。
足の引きずり、起床時のこわばり、手足が動かしやすい、運動量の減少といった症状が現れたら注意を払うことが大切です。

若年性関節リウマチで受診すると、まずは症状や家族の病歴についての問診を行います。その際、関節の腫れや発疹、内臓の炎症を示すもの、眼の症状の確認など、身体検査も行います。
また、血液や関節液の検査をしたり、レントゲン(X線)検査などそのほかの検査を行うこともあります。

なお、成人の関節炎やその他の感染症などでも若年性関節リウマチと同じ症状がみられることがあるため、それらの病気の可能性を排除しながら慎重に診断を行っていくこととなります。

若年性関節リウマチの治療

若年性関節リウマチの治療方法は、重症度などによって異なります。

「関節型」の場合は、痛みを緩和させるための消炎鎮痛剤や炎症を抑えるためのステロイド剤の少量投与が行われ、関節へのダメージが強い場合は免疫抑制剤や生物学的製剤が使用されます。一方、症状が強い「全身型」の場合には、高用量のステロイド剤の投与や血漿交換療法などが行われます。

さらに、関節変形を生じて日常生活に支障を来たしている場合には、関節変形を修正するための手術が行われ、場合によっては人工関節置換が必要になることもあります。

このように、若年性関節リウマチは副作用の強い薬剤を使用して治療を行うため、定期的な検査を受けて病気の状態や合併症の有無などを調べる必要があります。

おわりに:子供に気になる症状が見られたときは、早めに病院を受診しよう

子供の場合、大人の関節リウマチとは違い、症状が治まっていく病気です。ただし、それには正確な診断と適切な治療が必要になります。
子供に気になる変化がみられたときは、早めに病院に連れていくようにしましょう。

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