記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
若い女性に多くみられる低血圧は、朝起きるのが辛かったり、立ちくらみがしたりするのが特徴です。
この記事では、低血圧を改善するための、食事面での注意点をご紹介しています。
おすすめの簡単レシピも紹介しているので、参考にしてください。
高血圧と違って、低血圧には明確な基準が定まっていません。ただ、WHO(世界保健機関)では世界共通の基準として、最高血圧(収縮期血圧)100(mmHg)以下、最低血圧(拡張期血圧)60(mmHg)以下を低血圧と定義しています。
低血圧の症状として、以下のようなものがあります。
これらの症状があり、血圧が基準値よりも継続的に低い場合は、低血圧を疑い一度病院で検査してもらいましょう。
低血圧になると食欲不振になりやすいため、栄養不足になりがちです。栄養不足になると、低血圧だけでなく、低血糖や生活習慣病になるリスクも高くなります。そのため、栄養バランスの取れた食事をしっかり摂れるよう、食事を工夫することが大切です。
低血圧を改善に効果的とされる栄養素と食べ物には以下のものがあります。
たんぱく質には体温を上げる効果があります。たんぱく質は、肉や魚、乳製品や大豆食品(豆腐、納豆、味噌など)があります。
ビタミンEは抗酸化作用があり、血管の中に溜まった過酸化脂質を分解したり、血液をサラサラにしたりする作用があります。ビタミンEは、ナッツ類やかぼちゃに多く含まれています。また、ビタミンEは豚肉や大豆に含まれるビタミンB1と一緒に摂取するとより高い効果を得られます。
カリウムとナトリウムは、血圧のバランスを整えるために重要な栄養素です。カリウムは血圧を下げる作用があり、ナトリウムは血圧を上げる作用があります。
血圧を下げるカリウムは生野菜や果物に多く含まれています。これらはナトリウムを排出する作用があるため、食べすぎには注意が必要です。
低血圧の人は、食事のときに以下のことに気をつかいましょう。
水分をたくさん摂ると、血流量が増えて血液の流れをスムーズになるので、低血圧の改善を促しやすくなります。特に夏場は汗をかくため、体から水分が抜けてしまうため、こまめに補給するようにしましょう。
低血圧の人は朝起きるのがつらいため、つい朝食を抜いてしまいがちです。朝食は、1日のエネルギー源となる栄養素を補給するために欠かせません。起きたらカーテンを開けて朝の光を浴びるとともに、朝食をしっかり食べましょう。身体を温めるスープや味噌汁を飲むことがおすすめです。
カフェインは血液の流れを良くする効果があります。食後に緑茶やコーヒー、紅茶を飲むようにしましょう。ただし、飲み過ぎには注意してください。
アルコールは血圧を下げる作用があります。低血圧の人がアルコールを摂取すると、起立性低血圧による失神を起こしやすくなるので、アルコールは控えることをおすすめします。
また、タバコも急激に血管を収縮させ、血流を悪くする作用があるので控えてください。
塩分は血圧を上げたり、血管を収縮させたりする働きがあるため、低血圧の人は適度に塩分を摂取することが必要です。とはいえ、摂りすぎには注意する必要があります。
1日あたりの塩分摂取の目安は以下のとおりです。
低血圧の人は栄養バランスの取れた規則正しい食事を続けることが、症状改善の第一歩です。ここでは、低血圧の人におすすめのレシピを2つご紹介します。
鶏レバーには良質なたんぱく質が多く含まれており、鉄分も豊富なので貧血気味の人にもおすすめの食材です。独特な臭みが苦手な人も、から揚げでしっかり味付けすることで気にならずに食べることができます。
鶏レバーはよく洗って適当な大きさにカットし、ひたひたの牛乳に30分程度浸けて臭みを取ります。生姜やニンニクのすりおろし、しょう油、酒などお好みに味付けしたタレに鶏レバーを投入し、半日冷蔵庫で休ませます。十分に味が染み込んだら、片栗粉をまぶして油で揚げれば完成です。
フレンチトーストには十分な糖分が含まれており、カルシウムなどの栄養も同時に摂ることができます。忙しい朝にもおすすめのメニューで、起床時の低血圧が気になる人はぜひ試してみてください。
食パンは適当な大きさにちぎり、牛乳、卵、砂糖を混ぜ合わせた汁に一晩漬けます。翌朝、バターを熱したフライパンで香ばしい香りがするまで焼けば完成です。付け合わせにグレープフルーツやキウイなどビタミンCやクエン酸など疲れを和らげる栄養素を含む果物を添えるのもおすすめです。
低血圧の改善には、バランスのとれた食事をとることとともに、十分な睡眠や規則正しい生活を心がけることも重要です。
また、お風呂でマッサージをすることも低血圧の改善につながります。バランスの取れた食事と規則正しい生活で、低血圧の症状を和らげましょう。
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