記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
頭痛がしたので病院にいったら、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)だったというケースは少なくなりません。副鼻腔炎が、なぜ頭痛につながるのでしょうか?
ここでは、副鼻腔炎が頭痛が起こる原因と対処法を詳しく紹介していきます。
慢性副鼻腔炎では、鼻腔と副鼻腔の間が狭くなります。そのため、空気の循環が悪くなっていたり、副鼻腔の炎症を原因として鼻水や膿がたまり、副鼻腔が圧迫されたりすることで、痛みや頭重感を誘発すると考えられています。
ただし、副鼻腔内の空気の循環を悪くする原因は、副鼻腔炎だけとは限りませんので他の原因と区別する必要があります。
例えば、アレルギー性鼻炎も鼻の粘膜が腫れることで副鼻腔の入り口近くで炎症を起こし、同じように副鼻腔内の空気の流れを悪くすることがあるのです。
慢性副鼻腔炎で生じる頭痛には以下のような特徴があります。慢性副鼻腔炎は放っておくと治療が難しくなるだけでなく、様々な症状を引き起こして日常生活に大きな支障を与えることがあります。当てはまる症状が多い人は、一度耳鼻科で相談してみましょう。
市販の痛み止めには、炎症を落ち着かせて痛みを緩和させる効果が期待できます。
しかし、慢性副鼻腔炎の人の中には、鎮痛剤に含まれる成分に反応して、喘息(ぜんそく)や呼吸困難を起こす人もいます。中でも好酸球という免疫細胞が鼻の中に多く存在する、好酸球副鼻腔炎の人は注意が必要です。
市販の鎮痛剤を飲む前に、医療機関での診察を受け必要な治療を受けましょう。その際、市販薬の使用についても相談してみることをおすすめします。
子供にはカロナール®が主に処方されます。カロナール®は、作用の仕組みに一部不明なところもあるものの、安全性が高く赤ちゃんにも使われる薬です。
カロナール®とロキソニン®は、主成分が異なり、症状を緩和する仕組みが異なります。ロキソニン®は炎症が起きている患部で効果を発揮する一方、カロナール®は脳に作用して痛みや熱を下げるといわれています。
ただし、一般的には大丈夫といわれる薬でも、体質や他に飲んでいる薬などがあれば、その限りではありません。医師や薬剤師に相談し、そのリスクや何かあったときの対応も聞いた上で服用すると良いでしょう。
鼻の血流が悪くなることで、副鼻腔内の膿が排出されづらくなり頭痛が引き起こされていることがあります。
そのような頭痛では、身体を温めることで症状が緩和されることがあります。
温かい飲み物を飲んだり、ゆっくりとお風呂に入って身体を温めたり、あたためた蒸しタオルを鼻に当ててみましょう。
ただし、身体を温めることで症状が悪化するようでしたら、すぐに中止してください。
慢性副鼻腔炎によって生じる膿は、粘度が高く鼻をかんでもなかなかスッキリしません。そのため、ついつい鼻を強くかみすぎてしまいがちになってしまいます。
しかし、強く鼻をかみすぎると中耳炎になる恐れがあります。
鼻うがいを併用することで鼻水として排出しやすくしましょう。
生理食塩水で鼻腔内を洗い流すことで、膿だけではなく、ほこりや花粉、ウイルスなどの汚れを取り除けます。
以上が基本的な方法になります。鼻が水にのこった状態で強く鼻をかむと、粘膜の炎症を引き起こすことがありますから注意しましょう。
また、使道具は清潔なものを用意してください。洗浄液と道具がセットになった鼻うがい洗浄液も市販されていますから、試してみても良いかもしれません。
ちょっと時間ができたときに気軽に押せる、いくつかのツボを紹介しましょう。
副鼻腔炎は、慢性化すると頭痛がますますひどくなったり、ときには中耳炎などの別の病気を引き起こすこともあります。
また、炎症と膿がなくなるまでは頭痛も続きます。疑わしい症状がある場合には、早めに耳鼻科で診察してもらいましょう。
耳鼻科の治療とあわせて、頭痛緩和の対処法を試してみてください。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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