黄疸の原因は肝臓以外にもある!?治療はどうやって進めていくの?

2017/9/13 記事改定日: 2018/9/25
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

肝臓は消化のための大事な臓器です。肝臓が悪くなると、いろいろな体の症状が現れます。
その1つが黄疸です。白目や皮膚が黄色くなるのがその症状ですが、
発症のメカニズムと治療の進め方についてまとめました。

黄疸が出るのは肝臓の病気だけじゃない?

黄疸は、血中のビリルビンが増加することにより、全身の肌や目が黄色くなることです。肝炎や肝硬変などの肝臓疾患がある場合に黄疸が現れます。また、胆管のトラブルや赤血球の破壊も原因になることがあります。

アジア人のような黄色人種は、軽度の黄疸が出てもわからないことが多いため、医療の現場では眼球結膜(白目の部分)で判別することが多いです。

肝臓や胆管の病気を抱えている人は、進行すると黄疸が現れるようになります。黄疸が現れているときは深刻な状態になっていることも少なくありません。肝臓の持病がある人が周囲にいる場合は、気をつけて観察するようにしましょう。

黄疸が出る原因とは?どんな仕組みで肌が黄色くなるの?

黄疸は、ビリルビンという色素が血液中で増加することが発症原因です。黄疸は、血中のビリルビンの量が増える原因ごとに、下記のように分類されます。

溶血性貧血
血液中の赤血球の破壊されることによる副産物としてビリルビンが産生されるもの
肝細胞性黄疸
肝細胞の機能障害によってビリルビンが処理できなくなるもの
閉塞性黄疸
何らかの原因により胆管が塞がれてしまい、胆汁(ビリルビンを多く含む)が排泄できなくなるもの
体質性黄疸
生まれつき肝臓でビリルビンが処理できないような体質によるもの

肝細胞性黄疸の原因で特に多いものは、急性肝炎であり、ウイルス性のものや薬剤性のもの、アルコール性のもの、自己免疫性のものの全て急性肝炎が黄疸が現れます。ただし、慢性肝炎は黄疸が出ることはほとんどありません。

閉塞性黄疸は、肝内胆汁うっ滞症や結石、腫瘍などによる胆管の狭窄が主な原因です。

かゆみ以外に、黄疸といっしょに出やすい症状はある?

皮膚や眼球の結膜(白目の部分)、舌など、黄疸は全身に現れます。皮膚が以前よりも黄色っぽく見えるときや白目が黄色く見えるように感じるときは、黄疸の可能性があるので注意しましょう。ただし、ミカンなどの柑橘類をたくさん食べたときに手のひらが黄色くなるものは柑皮(かんぴ)症という病気ではない体の変化なので安心してください。

また、黄疸になると、肌が黄色くなるとともに、尿の色がかなり濃くなったり、疲労や倦怠感があったり、かゆみや発熱などの症状が現れます。

黄疸と一緒に腹水があるときは・・・

腹水とは、主にたんぱく質などを含む液体が腹腔内に溜まったものです。腹水は健康な人でも少量ずつ産生されるものですが、産生量が多くなったり、排出が上手くいかなくなると腹腔内に過剰に蓄積した状態となります。

腹水を生じる主な原因は肝臓疾患や心不全、腎不全など腹水の排出が低下しやすい病気や、腹水が過剰に蓄積する腹膜炎、膵炎などの強い腹腔内の炎症性病変、癌などが挙げられます。
このように腹水には様々な原因がありますが、黄疸と一緒に腹水の症状が見られる場合、肝硬変や肝がんなどの重篤な肝臓疾患である可能性が考えられます。

肝臓はアルブミンというたんぱく質を産生する働きがあり、このアルブミンは産生された腹水を血管内に移動させ、体外への排出を促す作用があります。このため、肝硬変や肝臓がんなど肝臓の機能が著しく低下する病気ではアルブミンが不足することによって腹水が溜まりやすくなるのです。また、肝臓の機能低下によってビリルビンの処理も正常に行えなくなるため、黄疸も生じます。

このように、黄疸と一緒に腹水もあるときは、重篤な肝臓疾患の可能性が高いことが考えられます。気になる人は速やかに病院へ行って検査を受けるようにしましょう。

黄疸の診断方法

上記でも触れたように、黄色人種の軽度の黄疸は、皮膚の色での判断が難しいため、通常、眼球結膜(白い部分)を見て診断します。黄疸が認められた場合は、家族歴や既往歴、その他の症状が伴っていないかなどを問診し、血液検査(一般的に血清ビリルビン2.0mg/dlを超えると眼球結膜に黄疸が認められる)や肝機能検査、X線(レントゲン)検査などで黄疸の原因を特定し、治療の必要性や治療方針を判断します。

黄疸の治療はどのように進められる?

黄疸の治療方法は、その原因によって大きく異なります。
肝炎や脂肪肝、肝硬変、肝臓がんなど肝臓自体の病気が原因の場合には、肝庇護剤の投与や手術など、原因疾患に対する治療が行われます。

一方、胆石や胆のうがん、膵がんなどが原因となって胆管が閉塞することによって黄疸が生じている場合には、まずは内視鏡的逆行性胆道ドレナージや経皮経肝胆道ドレナージなどを行って過剰に溜まった胆汁の排出を促します。そのうえで、黄疸の症状が落ち着いたら原因となる胆石やがんなどの治療を行うのが一般的です。
また、胆管が狭くなっているケースでは、ステントなどを挿入して狭くなった部位を広げる治療が行われることもあります。

このように、黄疸の治療には、原因と萎える病気の治療を行う必要があります。黄疸が引くまでにはある程度の時間がかかるため、黄疸によるかゆみ・乾燥などの症状には、保湿ローションやステロイドのスプレーなどが使用されます。

おわりに:黄疸には危険な病気が潜んでいる可能性が。すぐに病院で検査を。

今までの記事でわかるように、黄疸は、肝臓機能の障害や胆管の障害などの重篤な病気のサインです。特に肝臓の病気は自覚症状が現れずに重症化するケースが多いといわれています。ふだんから黄疸に気をつけるように心がけ、気になる症状がみられたら病院へ行きましょう。

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