記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/21 記事改定日: 2019/1/21
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
健康のために禁煙を始めたものの、ひどい眠気に襲われるようになった場合、どうすればその眠気を抑えることができるでしょう?
この記事では、禁煙による眠気の原因と対処法を紹介していきます。
禁煙すると眠くなる原因は、禁煙による離脱症状によるものです。
禁煙による離脱症状には、眠気の他にイライラ、不安感、集中力の低下、便秘、頭痛、体重の増加などがあります。
離脱症状は、長い年数タバコを吸い続けていて「ニコチン依存」の状態にあった人が、禁煙することでニコチンが体から抜けるときに起こります。
ニコチンには、アセチルコリンという体内で生成される脳を覚醒させる物質と似たような働きをするため、ニコチンが体内に入ると、脳はアセチルコリンを作り出す必要がないと勘違いし、生成する量を減らします。
禁煙による眠気は、アセチルコリンが少なくなった体からさらにニコチンが抜けることで、脳を覚醒させることが難しくなることが原因と考えられています。
禁煙による離脱症状は、体内に蓄積されたニコチンが消失することで解消します。
一般的には、喫煙後3~5日ほどで症状は最も強くなり、徐々に解消していきます。
一週間ほどでよくなる人が多いですが、喫煙期間が長く、吸う本数が長い人ほどニコチンが消失するのに時間がかかるため、離脱症状も長く続くとされています。なかには、一か月近く続く人もいますので、強い症状がある場合や長く続く場合は病院を受診して、適切な治療を受けることをおすすめします。
禁煙中の眠気を抑えるためには、生活習慣を見直し、健康的な生活をすることが大切です。以下に禁煙中の眠気の対処法をご紹介します。
眠気に襲われたとき、軽い運動をすることは、脳や体の血行を良くします。運動することで、禁煙によるストレスをやわらげる効果も期待できますし、健康的にもおすすめです。
日中にどうしても眠気に襲われる場合は、20分程度の昼寝をすることもおすすめです。この程度の昼寝であれば、夜の睡眠を妨げることもありません。さらに、脳の覚醒効果も期待できます。
コーヒーや緑茶などからカフェインを摂取することもおすすめです。ただし、カフェインは摂り過ぎると夜の睡眠を妨げることもあるため、適度な量にとどめておきましょう。
ニコチンは睡眠中に体内から抜けていきます。睡眠の質を上げることや十分な睡眠時間を取ることが離脱症状の緩和にもつながります。
禁煙の離脱症状による体のダルさや眠気には、熱めのシャワーを浴びることも効果的です。熱めのシャワーは、血行の促進と共に交感神経が活発になり、眠気が解消されます。
禁煙補助薬は、脳内のニコチン受容体に結合し、ドーパミンを放出する作用があります。このため、タバコを吸ってもニコチンの受容体への結合を物理的に阻害し、喫煙による多幸感や高揚感を損なわせます。また、脳内のドーパミン放出を促すため、禁煙による離脱症状を緩和する効果も期待できます。
離脱症状が強い場合や、辛い離脱症状によって禁煙に失敗する場合は、禁煙外来などの専門も医療機関で相談してみましょう。
離脱症状は、禁煙開始から3~4週間ごろに最も強くなるといわれており、その時期にどう過ごすかが重要です。
この期間はタバコへの欲求が強くなるため、うまく離脱症状に対処することが重要となります。この期間を乗り越えると禁煙を成功させる可能性が高くなります。周囲のサポートや、病院での禁煙外来を利用するなどし、禁煙を成功させましょう。
この記事の続きはこちら