潰瘍性大腸炎に食事制限は必要? 食べていいものと悪いものとは?

2017/10/5 記事改定日: 2019/7/11
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「潰瘍性大腸炎」は消化管の疾患のため、どんなものなら食べていいのかわからず、心配になってしまう患者さんも少なくありません。この記事では、そんな潰瘍性大腸炎の患者さんに向けて、食事での注意点をお伝えしていきます。

潰瘍性大腸炎とは、どんな病気?

潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜がただれて潰瘍ができる炎症性腸疾患の一種です。初期段階では直腸のみに潰瘍ができた状態ですが、徐々に大腸全体に潰瘍が広がっていきます。この進行度によって現れる症状は多少異なりますが、下痢(下血を伴うことが多いです)と持続的な腹痛が主な症状です。重症化すると、発熱や頻脈といった全身症状が現れることもあります。

原因

潰瘍性大腸炎の原因に関しては、自己免疫反応の異常や腸内細菌の影響など諸説ありますが、はっきりとしたことはわかっていません。ただ、「潰瘍性大腸炎患者の約20%に、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎またはクローン病)の近親者がいる」という海外の報告から、遺伝子や食生活などの環境要因が関係しているとの説が注目されています。

潰瘍性大腸炎では、食事制限は不要なの?

寛解期(症状が落ち着いており、日常生活を問題なく送れる時期)であれば、そこまで厳しい食事制限は必要ありません。ただ、普段から栄養バランスのとれた食事を摂取することが望ましく、腸への負担が少なく消化の良い、低脂肪で食物繊維が少ない食べ物を選ぶようにしましょう。

控えた方がいい食べ物

辛い食べ物やアルコール飲料などの飲食物、そして暴飲暴食は、腸を刺激し症状を悪化させる恐れがあるので避けてください。カフェイン飲料に関しては、寛解期に適量を守って飲むのであれば問題ありません。

潰瘍性大腸炎の人におすすめの食べ物と、食事を摂るときの注意点は?

潰瘍性大腸炎の人は、寛解期であってもなるべく大腸に負担がかからない食生活を心がける必要があります。このため、「低脂肪・低残渣・低刺激」の食事が基本となります。低残渣とは、食物繊維が少ない食事のことで、低刺激とは塩分や香辛料の少ない食事を指します。また、過度な飲酒や喫煙は避けることが望ましいです。

しかし、これらの食生活を送ると食物繊維の不足による便秘が生じやすく、ビタミン・ミネラル、総カロリー量が減少する傾向にあります。

そこでおすすめなのは野菜類をよく茹でて柔らかくした状態で食べることで、大腸への負担も軽減されます。また、必要なエネルギーを確保するために鶏のささ身や胸肉、牛の赤身など油分が少ないながらも高カロリーの食材を取り入れるようにしましょう。

万が一再燃した場合は、症状が強い場合には一旦絶食にして大腸の炎症が治まるのを待ちながら中心静脈栄養が行われ、症状がある程度治まってきたら流動食や栄養剤などから開始してお粥・スープなど大腸に極力負担をかけない食事療法が行われます。

ストレスで症状が悪化するので、「気にしすぎ」は禁物

潰瘍性大腸炎は、基本的には寛解期であれば、普通の生活を送っても問題のない病気です。逆に神経質になりすぎてストレスや疲労が溜まってしまうと、症状が悪化してしまいかねません。

潰瘍性大腸炎は根本的な治療法が確立されていない病気です。QOLの向上を目指しながら、長い目で付き合ってい必要があります。食事や行動にあまり神経質にならず、好きなことに時間を使ったりして、できるだけ毎日を快適に過ごすようにしてください。

おわりに:症状にあわせて食事内容も変えていこう。でも、神経質にはならないで

潰瘍性大腸炎は、症状がよくなったり悪くなったりを繰り返す病気なので、症状に合わせて食事内容も適宜変えていく必要があります。ただ、神経質になりすぎると逆に症状が悪化してしまうこともあるので、ストレスを溜めすぎない程度に食事も日常生活も楽しむことが大切です。

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