記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/17 記事改定日: 2019/1/31
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
高齢者の方は、骨折して入院したのがきっかけで、徐々に寝たきりになってしまうケースが少なくないとされています。では、そもそも骨折を防ぐためにはどんなことに気をつけたらいいのでしょうか?
高齢者が骨折する原因と併せてお伝えしていきます。
高齢者の人は運動機能が低下しているので転びやすくなってしまい、転倒する回数も多くなってしまいます。
年をとると骨が老化してもろくなっているので、若いころは問題なかったような転倒時の衝撃でも骨が折れてしまうようになってしまうのです。
骨がもろくなり、転倒する機会が増えてしまうのが高齢者の骨折例が多い原因といえるでしょう。
高齢者の骨がもろくなるのは、主に特に「骨粗鬆症」が原因です。
骨粗鬆症とは、何らかの原因で減少してしまった血液中のカルシウムを補充するために、骨の中のカルシウムを血液中に送り出し続けた結果、骨の中のカルシウムがほとんどなくなってしまい、骨がすかすかになって強度が弱くなり、少しの衝撃が加わっただけでも骨折してしまうようになります。
高齢者は背骨の骨折が多いです。
背骨は体重を支えるために丈夫にできていますが、骨粗鬆症などで背骨が弱くなると尻もちをついただけでも骨が折れてしまうようになってしまいます。
また、大腿骨の骨折や手首の骨折も多いです。
手首の骨折は、主に転倒時に手をついたことで起こり、肘から転んだときには、腕の付け根を骨折することもあります。
高齢者が骨折してしまうと、多くの場合入院が必要になります。
入院中の生活はベッド上で過ごす時間が長くなりがちですが、すると自分自身で動く機会が少なくなるので、怪我をしていない部位の筋力も一気に落ちてしまいます。
高齢者の筋力低下は寝たきりに直結します。そのため、高齢者は骨折しないための対策が重要です。
骨折を予防するには、
ように心がけましょう。
運動して筋力を高めることは転倒予防になるだけでなく、骨を強めることにもつながります。大腿四頭筋の筋力トレーニングや、少し速い速度でのウォーキングなどを実践してみるといいでしょう。
ただし、いきなり強い負荷をかけるとケガをする恐れがあるので、医師と相談してから行うようにしてください。
高齢者の転倒事故が生じやすい場所として意外に多いのは、自宅内です。
自宅内などの慣れ親しんだ場所では、高齢者や周囲の家族なども緊張感が緩み、注意力が低下することから思わぬ転倒を招くことがあるのです。
自宅内での転倒防止には以下のような対策がおすすめです。
骨折の治療は手術療法と、手術を行わない保存療法にわかれます。
保存療法の場合は、骨折した部位が治るまで数週間~数カ月固定することになります。背骨の骨や、手首の骨の場合には保存療法が選択されることが多いです。
しかし、大腿骨の場合は長期間の安静をきっかけに筋力が低下し、そこから寝たきりになってしまうケースも多いので、それを避けるために手術療法を選択するのが一般的です。
ただし、手術をしたとしても、術後にきちんとリハビリをしなければ筋力は落ちてしまいます。できる限り早く元の生活に戻れるように、医師や理学療法士・作業療法士と相談しながらリハビリに取り組みましょう。
高齢者が骨折する原因の多くは、運動機能の低下による転倒と、骨の強度の低下によるものです。
日頃から食事の栄養バランスに気をつけ、適度な運動をする、屋内の転倒防止対策を徹底するなど、できることから対策を始めていきましょう。
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