記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/18 記事改定日: 2019/1/29
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
不眠症は、眠れないというだけでなく、朝早く目が覚めてしまったり、途中で目が覚めてしまったりなどさまざまな症状があり、原因も多数あります。根本解決には原因の特定が必要です。
この記事では、不眠症の原因をわかりやすく解説していきます。
不眠症とは睡眠障害の一種です。
不眠症には、
の症状があります。
また、
ような症状を感じることもあります。
このような症状が1カ月以上続くと不眠症の可能性があるので、早めに専門の医療機関に相談することをおすすめします。
そして、不眠症は体の問題、心の問題、生活習慣の問題などがもとで発症します。
体の問題で起こる不眠は、体調が優れない状態が続いたり、高血圧や糖尿病などの病気が原因で発症します。
また、関節リウマチなど慢性的な痛みがある病気や気管支喘息などの呼吸に影響する病気は入眠や熟睡がしにくくなることで、不眠を引き起こすこともあります。
そのほか、泌尿器の病気などで起こる頻尿も睡眠中に目覚める(中途覚醒)の原因になりますので注意しましょう。
心の問題としては、ストレスが主な原因といえるでしょう。
現代はストレスの多い時代です。人間関係でのストレスで眠れなくなる人は多く、さらにストレスはうつ病や不安障害、統合失調症などの精神的な病気の原因となり、結果的に不眠を引き起こすことがあります。
また、眠りに入るときは副交感神経が優位になる必要がありますが、ストレスが原因で自律神経失調症になってしまうと、交感神経と副交感神経のバランスが乱れ副交感神経にうまく切り替わらなくなってしまいます。
以上のように、十分に睡眠をとるためには体だけでなく、心の健康も重視する必要があります。
そして、眠れない状態が続くことでうつ病などの心の病がさらに悪化すると、不眠もさらに悪化する恐れがあるのです。
不眠は以下のような睡眠環境や生活リズムの乱れなどが原因で引き起こされることがあります。
スマホやパソコン画面から放たれる「ブルーライト」は脳を活性化する作用があり、スムーズな入眠を妨げ、不眠の原因になることがあります。
就寝前1時間はスマホやパソコン画面などは見ないようにし、どうしても必要な場合はブルーライトカット機能のある眼鏡などを利用しましょう。
就寝前に食事を摂ると、入眠時に胃腸の動きが活発になっているため入眠の妨げになることがあります。食事は就寝3時間前には済ませるようにし、脂質や糖質などが多い消化の悪いメニューは控えめにしましょう。
人には体内時計が備わっており、一日のリズムがほぼ身体にしみついた状態となっています。体内時計は約25時間の周期といわれていますが、太陽の光を浴びるとリセットされるため、体内時計と実際の時計の「時差」を埋めるには朝起きた時に太陽の光を浴びることが重要です。このため、遮光カーテンなどで常に室内に太陽の光が入らない状態にしておくと体内時計がリセットできずに、生活リズムが乱れることがあります。
睡眠には、脳と体が休む深い眠りである「ノンレム睡眠」と体は休んでいるものの脳は休んでいない浅い睡眠の「レム睡眠」があり、睡眠中にはそれぞれのタイプの睡眠が交互に起こっています。
高齢者では、浅い睡眠の「レム睡眠」の割合が増えることが分かっており、その結果、睡眠が浅く熟睡感がない、些細な物音ですぐに起きてしまう、夜中に起きて眠れなくなるなどの症状が見られることがあります。
また、高齢者は前立腺肥大や過活動膀胱など様々な原因で尿意が頻繁に引き起こされることがあり、夜間の頻尿が不眠の原因になることも少なくありません。
高齢者の不眠には、加齢による生理的な睡眠の質の変化と身体的な病気によるものがあります。それぞれ適切な治療を行えば改善することもありますので、不眠に悩んでいる場合はまず病院で相談することをおすすめします。
不眠症で受診すると薬物治療が中心に治療が行われます。医師の指示通り服薬を続けることが大切ですが、健康的な眠りを得るには体質改善する工夫も必要です。
規則正しい生活で体内時計を整えて、バランスのとれた食事、ストレス解消などを普段から心掛けるようにしましょう。
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