記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/30 記事改定日: 2018/11/14
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
中性脂肪は動脈硬化の原因になるため、増えすぎると脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上昇する可能性があります。健康のためにも中性脂肪は減らしたいところですが、どうすればいいのでしょう?この記事では、中性脂肪の減らし方について解説しています。
毎日の食事で摂取される脂質は身体のエネルギー源となるものであり、私たちが生きていくためには必要なものです。しかし、脂質をとりすぎて消費できなかった脂肪は、中性脂肪の形で体の中に蓄えられ身体の中にどんどんたまってしまうのです。
中性脂肪の増加は悪玉コレステロールの増加につながり、血液がドロドロになる原因になります。これは、アテロームを血管の内壁に蓄積させ動脈硬化を促進させてしまう原因となるのです。
動脈硬化が進むと血管の内径が細くなり詰まりやすくなってしまうため、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクを高めます。そのようなリスクを回避するためにも、中性脂肪のコントロールをすることが大切です。
以下で詳しいコントロール方法を紹介していきます。
中性脂肪が高い人は、食物繊維を多く摂取するとよいといわれています。それは食物繊維が腸での脂肪吸収を防いでくれると考えられているからです。脂肪の多い食事を食べるときは、野菜や根菜類、海藻類など食物繊維が多く含まれる食品を一緒に食べるようにしましょう。
また最近注目を浴びているのが青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸です。オメガ3脂肪酸も脂肪ではありますが、中性脂肪の増加につながりにくい脂肪と考えられています。また、血液をサラサラにしてくれる作用があることが報告されているため、動脈硬化などの予防効果にも期待できます。
中性脂肪を減らすには、運動も大切です。
運動には無酸素運動と有酸素運動がありますが、ウォーキングやランニング、水泳などの有酸素運動をすることで効率よく糖質や脂質をエネルギーとして消費できると考えられています。中性脂肪を減らすために脂肪を燃やすには、ある程度の継続した有酸素運動(30分以上が推奨)をするようにしましょう。
また、無酸素運動は脂肪の消費には直接つながりにくいですが、筋肉を増やすことで基礎代謝を上げる効果が期待できます。ただし、体に負担がかかるので、トレーナーなどの専門家に相談しながら自分にあった運動メニューを作るようにしてください。また、持病がある人は無理な運動は禁物です。どんな運動をすればいいのか必ず医師に確認するようにしましょう。
中性脂肪を減らすためには脂肪の摂り過ぎないように注意する必要があります。
揚げ物やスナック類、インスタント食品など、脂肪が多い食品は避けるようにしてください。
また、糖質の摂りすぎやアルコールのとりすぎも中性脂肪の増加につながります。甘いものやお酒は節度をもって楽しむようにしましょう。
中性脂肪を減らす効果があると謳われるサプリメントは数多く販売されています。これらのサプリメントは中性脂肪を下げる効果のあるDHAやEPAなどが含まれているものが多く、服用することである程度の効果を期待することはできます。
しかし、サプリメントの効果には個人差があり、サプリメントを服用しただけで中性脂肪を正常値まで下げることはできません。中性脂肪を下げるには、食事や運動などの生活習慣を改善し、それでも改善しない場合は薬物療法が必要になることも少なくありません。健康診断などで中性脂肪高値を指摘されたり、肥満など中性脂肪が高いことに心当たりのある人は自己判断でサプリメントの服用を続けず、病院を受診して適切な生活指導や治療を受けるようにしましょう。
中性脂肪の増加は、動脈硬化のリスクの上昇を招くため、心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な病気につながる可能性があります。普段から食事と運動管理に注意しながら中性脂肪を減らすようにしましょう。
ただし、過度な運動や食事制限で健康を損なう可能性があります。とくに持病のある人は必ず医師に相談してから行うようにしてください。
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