記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/5 記事改定日: 2018/11/13
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
中性脂肪とはトリグリセライドといわれている脂肪のことで脂質異常症の原因となります。この記事では、中性脂肪の値を下げる効果が期待できる食べ物や調理法を紹介しています。
脂質異常症とは、血清脂肪値が異常値を示すものです。
血液検査で、LDLコレステロールが140mg/dL未満、HDLコレステロールが40mg/dL以上、トリグリセライド(中性脂肪)が150mg/dL未満であれば正常になり、この三つの値のいずれかがその範囲を超えると、脂質異常症と診断されます。
脂質異常症は、生活習慣、とくに食習慣が原因になっている場合は、その習慣を変えるだけである程度改善することがあります。
ただし脂質異常症には遺伝性の要素もあるため、脂質異常症のすべてが食習慣の見直しで改善するわけではありません。
脂質異常症を食事療法で治療していく場合は、通常1か月の期間に食事を変えたことに体がどのように対応するのか様子をみていきます。
また、中性脂肪が高い原因は、アルコールや糖質の摂りすぎが考えられます。男の人ではお酒の飲みすぎ、女の人ではお菓子の食べすぎが主な原因として挙げられるでしょう。
そのため、糖分の多いジュースやお菓子、アルコールを控えることも脂質異常症の改善につながります。その他、トランス脂肪酸が多い食品を控えることも効果的です。
脂肪の摂取を再開するときは、EPAやDHAが豊富な青魚をたくさん食べるように意識し、1日30分程度の軽いジョギングなどをしましょう。
中性脂肪値の改善が期待できる食べ物はいくつかあります。中性脂肪値の改善ができる代表的な栄養素を含む食材をご紹介します。
食物繊維は腸内でコレステロールや脂肪分を包んで体外へ排出する働きを持っています。食物繊維が豊富な食材は野菜、海藻、きのこに加えて玄米などの未精製の穀類です。また、穀物の胚芽に多く含まれる食物ステロールはコレステロールの吸収も妨げてくれます。
DHAやEPAは、LDLコレステロールや中性脂肪を減らしてくれる働きを持っていると考えられています。
さんまやかつお、いわし、さば、ぶりなどの青魚の脂にDHA、EPAは多く含まれます。
脂質異常症を改善するには、食材にこだわるだけでなく調理法を工夫することも重要なポイントです。
揚げたり炒めたりという調理法は、油を多く使用するため、脂質やカロリーの摂取量も多くなりがちになってしまいます。
ゆでる、蒸す、湯通しするなどの調理方法や電子レンジ調理などを活用しながら、脂質の摂取量を抑えていきましょう。
ただし前述したDHAやEPAのように、体に良い影響を与える脂肪分もあります。摂りたい脂と控えたい脂を見極め、調理方法を工夫するようにしてください。
中性脂肪値を下げるには、日々の食生活を見直す必要があります。
以下で、中性脂肪値を下げるおすすめレシピを3つご紹介します。
サバには中性脂肪の排出を促すDHAやEPAが豊富に含まれています。それらが多く凝縮した鯖缶を使ったレシピは、味付けの必要もなく簡単に作ることができる上に中性脂肪撃退のいい味方。積極的に日々の食事に取り入れるようにしましょう。
キャベツやもやしなどお好みの野菜を適当にカットしてサッとゆで、そこにサバ味噌缶を汁ごと投入して、塩コショウなどで味付けしたら完成です。生臭さが気になる人は、しょうがの千切りを加えてみましょう。
玉ねぎには中性脂肪値を下げる物質であるイヌリンが豊富に含まれています。玉ねぎをまるごと焼いてメインの豪華な一品を作ってみましょう。
玉ねぎは皮をむいて上下を切り、適量のコンソメをまぶして電子レンジで4~5分加熱して火をとおします。ブロッコリーやアスパラ、少量のソーセージなどをお好みの大きさに切って耐熱容器に並べ、その上に電子レンジで温めた玉ねぎを載せます。さらに玉ねぎの上にチーズをのせ、180度に予熱したオーブンで10分ほど焼けば完成です。
マグロにも豊富なDHAやEPAが含まれています。マグロの柵をそのまま竜田揚げにすれば特別な日のメインメニューにもなりますよ。
マグロのさくはしょう油・酒・すりおろししょうが・だし汁などでお好みに作った「たれ」に一晩漬けておきます。水気を拭いた漬けマグロに片栗粉をしっかりまぶし、フライパンで揚げ焼きすれば完成です。
フライパンを使うと少量の油でも揚げ物ができるので、試してみてください。
調理方法を工夫以外にも、食事の仕方に注意することも脂質異常症の改善に重要です。
まずは常に腹8分目を意識して食事を摂るようにしましょう。慢性的な食べすぎによって余ったエネルギーは、中性脂肪に変化して蓄積されていきます。一口ごとによく噛んでゆっくりと食べることを習慣化してください。
次に夜間の食事摂取量を控えるということも大切です。夜間は就寝時間が占める割合が高く動く機会が少ないため、エネルギーの消費量が少ないため、夜食べたものは中性脂肪となりやすいといわれています。夜間に仕事をする人は夕ご飯の食べ過ぎないように注意し、夜食を控えるようにしましょう。
さらに、アルコールも飲みすぎは中性脂肪を増やす原因となります。1日当たりビールなら大瓶1本、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度を目安に、お酒の飲むようにしましょう。
脂質異常症の原因となる中性脂肪の異常は、食事療法で改善できるといわれています。中性脂肪値を減らすためには、脂肪分が少ない食品や糖分が少ない食品を選ぶようにすることはもちろんですが、揚げ物や炒め物などを避けて煮物や蒸し物を増やすようにすることも大切です。
必要であれば医師などの専門家と相談しながら、食事や調理法を工夫して改善していきましょう。
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