脳挫傷で後遺症が残ることはあるの?どんな状態に注意すればいい?

2017/11/1 記事改定日: 2018/11/29
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

脳挫傷は頭を強く打ったときなどに脳細胞が損傷したり出血が起こることです。嘔吐や頭痛だけでなく、麻痺やしびれ、視覚障害などの重篤な症状が現れることもあり、後遺症が残ることもあります。
脳挫傷の症状や治療についてまとめているので、脳挫傷のサインに気づくための参考にしてください。

脳挫傷の症状

交通事故などで頭部に強い衝撃が加えられると、脳に損傷が起こったり出血を起こすことがあります。これを脳挫傷といいます。頭部を打ったことによって脳組織が破壊されてしまうことが原因です。前頭葉や側頭葉など、前面や横面に発生しやすいとされ、脳組織が裂けた状態になることもあります。

脳挫傷は出血を伴うことが多く、その出血が塊になって血腫をつくると外傷性脳内血腫にも発展することもあります。

程度が軽いもので脳への衝撃が少なければ脳へのダメージも小さくなりますが、程度は軽くとも脳挫傷では脳の構造に多少影響する可能性があります。
軽度であれば、嘔吐や頭痛、眠気がしたり、落ち着きがないなどの症状が現れ、重度になると意識障害や意識消失なども現れ、危険な状態になることもあるでしょう。

また、意識が残っても、手足に痺れが出るなどの麻痺や感覚鈍磨、言葉が出てこなかったり、ろれつが回らなくなるなどの言語障害が残ることもあります。

そして出血量が多く脳浮腫になると死に至るおそれもあるのです。

脳挫傷では、どのような治療をするのか

まず、脳に出血や脳浮腫が見られる場合にはその対処が必要です。CT検査をして症状を確認し、治療の方法を決定します。薬物療法のみで終えることもあれば、重度の症状が見られる場合には手術を行い、頭蓋骨の一部を取り除いて内部への圧迫を軽減したり、脳室に溜まった血液を排出する処置がとられます。

リハビリで脳機能の回復を目指す必要がある場合もありますが、軽度の場合には1週間程度の入院で退院できることもあるようです。

一方で出血や出血による血腫が小さく、脳浮腫も軽度の場合には治療を行わずに経過観察をすることもあります。他にも、低体温療法などを行うこともありますが副作用も大きいとされています。

脳挫傷の後遺症

手術が必要になるほどの脳挫傷では脳の構造に支障をきたすことも多く、重度の後遺症が残ることがあります。

手足や顔面にしびれが残るなどの症状が出るほか、脳挫傷の前後で人格が変わってまったり、物忘れがひどく記憶能力に問題が生じたりするなどの高次脳機能障害を発生することもあります

高次脳機能障害は、日常生活においても介護が必要な場合には1級、就労可能ながら一部記憶や問題解決能力などに問題が残っている場合には9級など、基準に応じて障がい者認定が適応されることがあります。

また、定期的に意識障害や転倒などを伴う外傷性てんかんの後遺症が現れることもあるため注意が必要です。これは反復性があり、リハビリなどを行っても簡単に快方に向かうわけではありません。

外傷性てんかん

外傷性てんかんとは、頭部に怪我を負った後に生じるてんかん発作のことです。受傷後すぐに起きるのではなく、ある程度時間が経過してから生じるのが特徴で、脳に負うダメージが大きいほど発症する確率も高くなります。

てんかんは、脳の一部に異常な電気的興奮が生じることで、けいれんや意識消失などを引き起こす病気です。
怪我によって脳の一部に強いダメージが加わると、将来的にその部位に電気的興奮が生じててんかんを発症することがあるのです。
特に小児に多く見られますが、成人になってもてんかん発作を繰り返すケースもみられます。

おわりに:頭を打って少しでも体に異常を感じた場合は、すぐに病院へ

脳挫傷は頭を打って発症する障害です。交通事故などで強く打った場合はもちろんですが、軽い打撲であっても打ち所によっては発症する可能性があります。重度の後遺症が残る可能性があるため早期の処置が必須です。頭を打った後に少しでも異常を感じた場合は、必ず病院で検査してもらいましょう。

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