記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/27 記事改定日: 2018/12/24
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胃の運動機能が低下して、胃酸が出にくくなったことにより、食べ物が消化されにくくなり、胃に食べ物が溜まる不快な状態が「胃もたれ」です。
今回の記事では、胃もたれの原因と予防法、胃が疲れているときのおすすめレシピを紹介していきます。
胃もたれの症状は、胃が重く感じる・むかつく・鈍痛がするなどが代表的なもので、胃の運動機能や消化を促す力が低下していることが原因で起こります。
胃には、食べ物を一度貯めて、腸の消化の進行度合いに合わせて送り出す働きがあり、胃のスムーズな動きによって胃酸と混ざり合い、消化しやすいように小さく粉砕されていきます。
粉砕された食べ物は蠕動運動によって少しずつ十二指腸に運ばれますが、ストレスなどが引き金で自立神経のバランスが乱れると、この胃の運動機能が低下してしまって胃の中の食べ物が十二指腸にうまく運ばれないようになってしまいます。
この状態が長く続いて胃の中に長時間停滞し続けると、胃もたれが起こるのです。
胃もたれがするときは、以下の方法で対処しましょう。
症状が比較的軽く、食べ過ぎや飲み過ぎなどの原因が分かっている場合は、胃腸薬で胃もたれの症状を緩和させるのがおすすめです。
胃腸薬にも、消化を助けるタイプ・胃酸から胃を守るタイプ・胃の運動機能を活発にするタイプなどさまざまな種類があります。胃もたれの状態に合わせた胃腸薬を服用しましょう。
胃に優しい食生活を送ることも重要なポイントです。暴飲暴食は避けて、食べ過ぎ・飲み過ぎには注意しましょう。苦しく感じる程食べてしまうと、胃にさらに大きな負担をかけることになります。
脂っこい食べ物は消化に時間がかかるので、できれば消化の良い食べ物を、時間をかけてよく噛んで食べましょう。また、お酒やタバコ、炭酸飲料や珈琲などの刺激物も胃に負担がかかるので、胃もたれがするうちは控えてください。
胃の働きは、自律神経系の交換神経・副交感神経の二つの働きにより、コントロールされています。ストレスが続くと、これらの神経のバランスが崩れてしまいます。
また、ストレスなどで交感神経が活発になりすぎてしまうと、胃の粘膜を保護する粘膜液の分泌が減り、副交感神経の働きが優位になりすぎると、胃の活発化により胃酸が過剰分泌され、胃が痛む原因になってしまいます。
このように、胃はとてもデリケートで繊細な器官です。
不快な胃もたれを予防するためには、ストレスをためないライフスタイルを確立することが大切になってきます。
不規則な生活や睡眠不足を避け、ストレスの原因をなるべく避けるように工夫しましょう。適度な運動や十分な睡眠を意識して、毎日規則正しい生活を心掛けることも大切です。
夏バテや疲れ・ストレスが溜まっているときなど、胃もたれしやすいときは予防対策として食生活に注意してみましょう。
ここでは、胃もたれ予防対策としておすすめのレシピを3つご紹介します。
豆乳は胃の粘膜を保護し、夏バテやストレスなどでかかる胃への負担を軽減してくれます。胃もたれを予防するには、豆乳を使ったスープがおすすめです。
白菜・ベーコンをざく切りにし、バターでよく炒めて火を通します。そこに、豆乳とコンソメを投入したよく煮込み、塩コショウで味付けしたら完成です。
とろみが足りない時は水溶き片栗粉をプラスしてもよいでしょう。
冬瓜には身体を冷やす作用があり、夏バテの強い味方です。煮物にすることで消化も良く、胃に負担にならないメニューに挑戦してみましょう。
冬瓜は皮を剥いてワタをくり抜き、一口大に切ります。たっぷりの熱湯で柔らかくなるまで下茹でします。
適当にカットした鶏肉と下茹でした冬瓜をしょう油・砂糖・みりんなどでお好みに味付けしただし汁でじっくり煮込み、水溶き片栗粉を回し入れてとろみをつければ完成です。
食事制限中でも、甘いデザートが食べたいという人におすすめのレシピです。バナナを加熱することで甘みを増し、余分な砂糖を加える必要がなくなります。
バナナは耐熱容器の中ですり潰し、電子レンジで数分間加熱します。そこに、無糖ヨーグルトを加えてはちみつやジャムなどでお好みに味付けしたら完成です。
乳製品は胃の粘膜を保護する作用もあるので、ヨーグルトは胃もたれの予防の強い味方です。
胃もたれの予防の基本はストレスを避けて規則正しい生活を送ることです。また、疲れているときは胃もたれになりやすいので、胃にやさしい消化のよい食べ物を食べるようにしましょう。
ただ、胃もたれの症状が重い、何日も続く、胃の痛みや発熱あるときなどは、胃の病気が原因で胃もたれになっている可能性があるので、医師に相談しましょう。
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