慢性中耳炎の症状は?大人と子供で違うの?

2017/11/30 記事改定日: 2019/1/22
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

慢性中耳炎とは、急性中耳炎をきっかけに発症する耳の病気です。
子供も大人もなる可能性がある病気ですが、どのような症状が出るのでしょうか。
慢性中耳炎の症状を発症の要因とあわせて紹介していきます。
治療が遅れないための基礎知識として覚えておきましょう。

慢性中耳炎の種類

慢性中耳炎には、「慢性化膿性中耳炎」か「真珠腫性中耳炎」の2種類があります。

慢性化膿性中耳炎

慢性化膿性中耳炎とは、鼓膜中央部の鼓膜緊張部に引っ掻き傷などの小さい穴が空き、その部分に雑菌が侵入して炎症を起こしている状態のことです。炎症を起こすと、皮膚を元の状態に戻す再生液(ジュクジュクとした液です)が出て、また白血球などの抗体反応によって膿が出ることが特徴です。

真珠腫性中耳炎

真珠腫性中耳炎とは、鼓膜の上方である鼓膜弛緩部や辺緊張部辺縁に同じく引っ掻き傷などの穴が開くことで引き起こされるものです。傷口が腫れ上がって腫瘍のような形になり、ヒリヒリとした痛みが現れます。

慢性中耳炎の症状は?

先述のとおり、慢性中耳炎になると、耳の穴を修復するための再生液が出ます。再生液は皮膚の修復が完了するまで断続的に流れ続けるので、小さい耳穴の中にたまってしまうことで、液が外に出る耳だれが繰り返し見られる状態になります。

それ以外では、慢性化膿性中耳炎では伝音性難聴の合併症が起きやすくなり、それが慢性化すると内耳の神経が障害され、感音性難聴も起きるリスクがあります。

一方の真珠腫性中耳炎では平衡感覚を司る内耳の神経が攻撃されることで、まれにめまいや吐き気、耳鳴りなどの神経系統の異常をきたすことがあります。

大人と子供で症状に違いはある?

慢性中耳炎は、大人と子供で症状に違いが見られることがあります。

子供の場合は、耳垂れを繰り返しやすく、耳の聞こえにくさも現れます。
特に、言語獲得時期の子供の場合は、難聴に気づかずに放置されると言語発達に遅れが生じることも少なくありません。
子供は自分で症状を言い表すことができないケースが多く、テレビの音を大きくする・片側から呼びかけると反応しないときがある・声が多くなったなどは難聴のサインと考えて早めに病院を受診するようにしましょう。

一方、大人の場合は、内耳障害によるめまいや立ちくらみ、耳鳴りなどの症状が目立つのが特徴です。当然、難聴も認められますが、長い時間をかけて進行していくため、その状態に慣れて聞こえにくさを自覚していないケースが多いのです。

慢性中耳炎になる原因は?

慢性化膿性中耳炎も真珠腫性中耳炎も、元は急性中耳炎が原因として引き起こされるものです。その原因として、耳かきのやり過ぎとウイルス感染による合併症が挙げられます。

まず、耳かきを奥にまで差し込んで掻いてしまうと、耳かきの先端の圧力に耳の皮膚が負けてしまい、引っ掻き傷ができてしまうことがあります。この傷こそが慢性中耳炎を引き起こす原因となります。

一方のウイルス感染ですが、例えば風邪のウイルスやプールにいる雑菌が口から鼻に感染し、副鼻腔炎になると、その雑菌が耳の耳管に入り込んでしまいます。この雑菌が原因でも慢性中耳炎は起こることがあるのです。

慢性中耳炎は、どのように治療する?

慢性中耳炎は、電子スコープや顕微鏡で鼓膜の状態を確認し、引っ掻き傷などの穴が確認できたら、その場所に化膿止め薬を塗布したり、内服薬を処方したり、傷口の縫合したりすることでまず耳だれを防ぎます。

慢性中耳炎を発症して間もない段階であれば、この治療で自然修復することもありますが、穴の状態によっては薬や縫合で一時的にふさいでも、ウイルス感染によって再発することもあります。そのため穴の大きさの状態や中耳炎による骨の変形が見られる場合には、即時に入院し、内視鏡を使って変形した骨を取り除くなどの修復を行います。

手術自体にはそこまで高いリスクはなく、局所麻酔をして行うものになります。

おわりに:急性中耳炎を発症したら要注意!早めに治療してもらおう。

過度な耳かきやウイルス感染によって急性中耳炎を発症した場合、適切なケアをしないと慢性中耳炎に移行してしまう恐れがあります。耳だれなど気になる症状が現れたら、早めに耳鼻科で治療してもらいましょう。

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