慢性中耳炎の種類と症状の特徴について

2026/7/8

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

慢性中耳炎とは名前の通り慢性化した中耳炎であり、主に耳だれや難聴などの症状が現れ、重症の場合には深刻な合併症を引き起こすことがあります。この記事では、慢性中耳炎の種類と症状について、発症の原因や早期発見の重要性についてもあわせて解説していきます。

慢性中耳炎の種類

慢性中耳炎には慢性化膿性中耳炎と真珠腫性中耳炎があり、どちらも基本的には急性中耳炎が原因になり、急性中耳炎は風邪・プール・副鼻腔炎によるウイルス感染、耳かきのやり過ぎなどが主な原因になります。

慢性化膿性中耳炎

慢性化膿性中耳炎とは、鼓膜の中央部に引っ掻き傷などの小さい穴が空き、そこに雑菌が侵入して炎症を起こしている状態のことです。炎症を起こすと、皮膚を元の状態に戻す再生液が産生され、白血球などの抗体反応によって再び膿が出ます。

真珠腫性中耳炎

真珠腫性中耳炎とは、鼓膜上方の鼓膜弛緩部や辺緊張部辺縁に、引っ掻き傷などの穴が開くことで引き起こされるものです。傷口が腫れ上がって腫瘍のような形になり、ヒリヒリとした痛みが現れます。

慢性中耳炎の症状の特徴

慢性中耳炎とは、急性中耳炎が完治せずに炎症が慢性化した状態であり、鼓膜に穴が開いたままになり、難聴・耳漏(耳だれ)の症状が現れます。慢性中耳炎になると鼓膜に開いた穴を修復するための再生液が断続的に流れ続けることになり、それが耳の穴の中に溜まることで耳だれなどの症状が繰り返されます。

また、慢性化膿性中耳炎では伝音性難聴の合併症が起きやすくなり、それが慢性化すると内耳の神経が障害され、感音性難聴も起きるリスクがあります。真珠腫性中耳炎では平衡感覚を司る内耳神経が障害されることで、まれにめまい・吐き気・耳鳴りなどの神経系統の異常をきたすことがあります。

なお、子どもの慢性中耳炎では耳だれを繰り返しやすく、耳の聞こえにくさも現れやすいといわれています。言語獲得時期の子どもの場合は、難聴に気づかずに放置した状態が続くと、言語発達に遅れが生じる可能性があるため注意が必要です。子どもがテレビの音を大きくしたがったり、片側からの呼びかけ反応しないときがあったり、声が大きくなったりしたときなどは、難聴のサインかもしれませんので、医療機関の受診を検討することをおすすめします。大人の場合は、内耳障害によるめまい・立ちくらみ・耳鳴りなどの症状が現れやすいといわれています。大人でも難聴の症状は現れますが、長い時間をかけて進行していくため、その状態に慣れ、聞こえにくさを自覚しにくい傾向にあります。

おわりに:急性中耳炎をしっかり完治させることが大切

慢性中耳炎は、点耳薬や内服薬による薬物療法や縫合などによる治療を施しても再発することがあり、重症の場合には入院治療・内視鏡による手術が必要になる可能性があり、顔面神経麻痺などの合併症を引き起こすこともあります。手術自体に高いリスクはないといわれていますが、慢性中耳炎は完治までに時間がかかる傾向にあるため、主な原因である急性中耳炎を適切に治療して完治させ、発症を予防することが大切になってきます。思い当たる症状・変化があるときは早めに医療機関を受診しましょう。

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