記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/5 記事改定日: 2018/9/20
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
指の第一関節が腫れたり、曲げようとすると痛みを感じたりしていませんか?もしかしたらそれは、「へバーデン結節」かもしれません。特徴や原因、治療法については以下をご参照ください。
へバーデン結節とは手の指の第一関節が赤く腫れて、変形し曲がってしまう病気です。主に人差し指から小指までの4本の指に症状が起こり、痛みを伴います。手の指にみられる病気の中では比較的高い頻度で見られ、男性よりも女性の発症者が多いことが特徴です。
へバーデン結節を発症する理由は明らかになっていません。しかし、発症者には同じような特徴があり、40歳以降の女性、手をよく使う人に多いという傾向があります。
40歳以降の女性に共通していることは、女性ホルモンの変化です。女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには、関節や滑膜の炎症を抑える働きがあります。しかし、40歳以降になるとエストロゲンの分泌が少なくなるのでへバーデン結節を起こしやすくなるのです。
ほかに遺伝的な要因も関係していると言われており、家族内にへバーデン結節を発症している人はリスクが高くなります。また、指の使い方も原因になると考えられており、手をよく使う人は手の使い方を変えることで、関節にかかる負担を多少軽減できます。
へバーデン結節の特徴は、指の第一関節に症状が起こることで、第一関節以外には症状が起きません。初期では赤く腫れ、指を曲げると痛みが出たり、指をぶつけた時に激痛が起こります。次第に腫れが顕著になり、指が曲げにくくなり関節が飛び出るような形で変形してきます。腫れがひどいと痛みが強く、曲げることができなくなり、手を強く握れなくなります。そして指の第一関節に水ぶくれのような透明の出っ張りができることがあります。これはミューカシストと呼ばれています。手先がいつも通りに動かせないことで、生活の中で不便を感じるようになります。
へバーデン結節になると、関節の間の軟骨がすり減ることで、骨と骨が直接ぶつかってしまい、そのことで痛みが出たり、指の第一関節の変形をきたします。
手の指は通常、骨と骨の間にある軟骨がクッションの役割を果たすことで、骨の間の潤滑油の役割を果たし、骨同士がぶつからないようになっています。しかしへバーデン結節の場合、何らかの原因で軟骨がすり減り、そのまま指の第一関節を使い続けることで病状が悪化して、痛みが強くなって動きが悪くなってしまうのです。
へバーデン結節の治療では、まず痛みがある部位を安静にし、指の使い過ぎを防ぐことが大切です。痛みが出たり腫れがひどい時には、なるべく指を使わないようにすることで炎症の悪化を防ぎます。痛みがある時にはテーピングをして指の関節を固定し、痛みを減らす治療法もあります。炎症がひどい時には患部にステロイド注射をして炎症を抑えます。
ただ、これらの治療法でもどうしても痛みがおさまらず、生活上の不便が大きい時などには手術が行われることもあります。手術方法としては、こぶのできている結節の除去、ワイヤーでの関節固定、人工関節に変える、といったものがあります。
へバーデン結節では、患部を安静に保つためにテーピングを行うことがあります。
テーピングは簡便に行うことができ、患部の第一関節に医療用テーピング用テープをややきつめに巻き付けます。爪の色が紫色になるなどの変化がある場合は強く巻きすぎなのでゆるめましょう。
こうすることで関節が固定され、安静に保つことができるようになります。強さや巻く回数はご自身の指の形や太さ、症状などによって調節してみましょう。
40歳以降の女性はホルモンバランスが乱れやすくなることから、へバーデン結節を発症しやすくなるといわれています。心当たりのある症状があれば、悪化する前に病院を受診してください。
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