誤嚥性肺炎の治療薬の飲み方とは!?絶食はいつまで続くの?

2017/12/13 記事改定日: 2018/10/15
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山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

誤嚥性肺炎は、気管に食べ物や唾液などが入ってしまうことで肺に細菌が感染してしまう肺炎です。
他の肺炎と同様、薬での治療が中心になりますが、どのような薬が使われるのでしょうか。この記事では誤嚥性肺炎の治療薬の飲み方や、日常生活の注意点、絶食期間についてまとめました。

なぜ、誤嚥性肺炎になってしまうの?

誤嚥性肺炎の誤嚥とは唾液や食物、胃液などが気管に入ってしまうことをいいます。その食物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入ることが誤嚥性肺炎発症の原因のひとつです。
気管に唾液や物が入ること自体は珍しいことではありませんが、通常はむせるなどして排出されるので肺まで到達しません。しかし、寝ているときに唾液を少しずつ誤嚥してしまうなど、特定の状況下が続くと発症してしまうことがあります。

特に高齢者の場合は嚥下能力が低下しているため、誤嚥性肺炎を発症しやすいといわれています。また、誤嚥だけでなく、口腔内の環境が誤嚥性肺炎の発症に関わってくることもあるのです。これは寝たきりの人のように自身で口腔内の清潔が保てない状況の人は、口腔内で細菌が繁殖しやすくなるため、細菌が気管や肺に侵入しやすくなってしまうことが原因と考えられます。

誤嚥性肺炎の治療薬には、何が使われる?

誤嚥性肺炎の治療には抗生物質と嚥下機能改善の薬が用いられます。原因菌に合わせた抗生物質を使用しますが、軽症か重症によっても薬の選択が変わります。

初回入院の場合はβ−ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系薬を使用するケースが多いです。重症化してしまう恐れがあると判断されると、他の抗生物質に変更することもあります。
症状が安定してくると嚥下機能の改善を期待してイミダプリル塩酸塩などのACE阻害薬、アマンタジン塩酸塩などが用いられることがあります。

誤嚥性肺炎は一度治っても嚥下機能が改善されないことで再発してしまう恐れがあります。治療と再発を繰り返すことにより、原因微生物が耐性をつけてしまうことも考えられます。そのため、誤嚥性肺炎を治療した際には再発防止も兼ねて、嚥下する機能を改善させるための治療も行うことが重要とされています。

薬を飲むときに気をつけること

誤嚥性肺炎の状態では、薬を普通に飲むことが難しい場合があります。これは服薬ゼリーを使うことで解消されやすくなるので、ぜひ試してみてください。また、粉末の場合は入院食に混ぜて食べるという方法が取られることもあります。この方法は飲み込むということにおいてはそれなりに効果があるものの、味が気になってしまうということもあるため味の濃い薬では難しくなるでしょう。

それらの問題に対処できる薬として口腔内崩壊錠というものがあります。この薬は口に含むだけで錠剤がすぐに溶けるように作られています。水なしでも服用できて、水と同時に飲んでも効果が薄れないという特徴があります。ゼリーでもむせてしまう人でも服用できるところが魅力です。

誤嚥性肺炎の治療で絶食が必要なのはどんなとき?

誤嚥性肺炎では、肺炎症状が落ち着いていない場合、絶食する必要があります。
これは肺炎を起こしている状況で、食べ物や飲み物の誤嚥を繰り返すと、肺炎症状が悪化する可能性があるからです。

一般的には、肺炎による呼吸状態の悪化により酸素吸入が必要な場合、高熱が出ている場合、嚥下機能が著しく低下している場合、大量の痰が排出されている場合などで絶食が必要になりますが、それぞれの患者さんの状況を診て医師が判断を下します。

必要な絶食期間についても個人差があり、熱が下がって呼吸状態が落ち着けば食事を再開することもできますが、嚥下機能が低下したままで食事を再開できないケースも少なくありません。

日常生活では、何に気をつければいい?

誤嚥性肺炎を予防するために普段から気を付けることは、嚥下機能を損なわないようにゆっくり噛んで食べる習慣を身につけ、飲食時のむせ込みが気になってきた場合にはなるべくとろみの付いたものを飲んだり食べたりするなどの工夫が必要です。

また、口腔内の衛生状態が悪化すると誤嚥性肺炎を起こすリスクが上昇しますので、毎日の口腔ケアを怠らず、半年に一度は歯科医院で歯石除去などのクリーニングを行うようにしましょう。

おわりに:補助剤で薬が飲みやすくなるように工夫し、医師の指示に従い日常生活にも注意しよう

誤嚥性肺炎を発症した人は嚥下機能が低下している可能性があります。処方された抗生物質などを、そのままではうまく飲めないこともあるので、服薬ゼリーなどを使いなどの飲みやすくなる工夫をしましょう。
また、誤嚥性肺炎の治療期間中や予防のためには日常生活にも注意する必要があります。医師の指示に従いながら、治療やリハビリを続けていきましょう。

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