誤嚥性肺炎の治療薬と薬の飲み方について

2017/12/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

誤嚥性肺炎は、気管に食べ物や唾液などが入ってしまうことで肺に細菌が感染してしまう肺炎です。他の肺炎と同様、薬での治療が中心になりますが、どのような薬が使われるのでしょうか。この記事では誤嚥性肺炎の薬と薬を飲むときに気をつけることについて解説しています。

誤嚥性肺炎はどんな病気?

誤嚥性肺炎の誤嚥とは唾液や食物、胃液などが気管に入ってしまうことをいいます。その食物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入ることが誤嚥性肺炎発症の原因のひとつです。
気管に唾液や物が入ること自体は珍しいことではありませんが、通常はむせるなどして排出されるので肺まで到達しません。しかし、寝ているときに唾液を少しずつ誤嚥してしまうなど、特定の状況下が続くと発症してしまうことがあります。

特に高齢者の場合は嚥下能力が低下しているため、誤嚥性肺炎を発症しやすいといわれています。また、誤嚥だけでなく、口腔内の環境が誤嚥性肺炎の発症に関わってくることもあるのです。これは寝たきりの人のように自身で口腔内の清潔が保てない状況の人は、口腔内で細菌が繁殖しやすくなるため、細菌が気管や肺に侵入しやすくなってしまうことが原因と考えられます。

治療にはどんな薬剤が使われるの?

誤嚥性肺炎の治療には抗菌薬と嚥下機能改善の薬が用いられます。原因菌に合わせた抗菌薬を使用しますが、軽症か重症によっても薬の選択が変わります。

初回入院の場合はβ−ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン系薬を使用するケースが多いです。重症化してしまう恐れがあると判断されると、他の抗菌薬に変更することもあります。
症状が安定してくると嚥下機能の改善を期待してイミダプリル塩酸塩などのACE阻害薬、アマンタジン塩酸塩などが用いられることがあります。

誤嚥性肺炎は一度治っても嚥下機能が改善されないことで再発してしまう恐れがあります。治療と再発を繰り返すことにより、原因微生物が耐性をつけてしまうことも考えられます。そのため、誤嚥性肺炎を治療した際には再発防止も兼ねて、嚥下する機能を改善させるための治療も行うことが重要とされています。

薬を飲むときに気をつけること

誤嚥性肺炎の状態では、薬を普通に飲むことが難しい場合があります。これは服薬ゼリーを使うことで解消されやすくなるので、ぜひ試してみてください。また、粉末の場合は入院食に混ぜて食べるという方法が取られることもあります。この方法は飲み込むということにおいてはそれなりに効果があるものの、味が気になってしまうということもあるため味の濃い薬では難しくなるでしょう。

それらの問題に対処できる薬として口腔内崩壊錠というものがあります。この薬は口に含むだけで錠剤がすぐに溶けるように作られています。水なしでも服用できて、水と同時に飲んでも効果が薄れないという特徴があります。ゼリーでもむせてしまう人でも服用できるところが魅力です。

おわりに:補助剤を使いながら、薬が飲みやすくなるように工夫しよう

誤嚥性肺炎を発症した人は嚥下機能も低下している可能性があります。そのため、処方された抗菌薬などは、そのままではうまく飲めないこともあるでしょう。服薬ゼリーなどを使いながら、飲みやすくなるように工夫することが大切です。

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