高安動脈炎(高安病)との向き合い方:日常生活で気をつけることは?

2017/12/20

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

高安動脈炎とは、動脈に起こった炎症が血管を狭くしたり塞いでしまうことで様々な症状が起こる病気です。治療は薬物療法が中心になりますが、食事や生活習慣でも気をつけることがあります。この記事では高安動脈炎の人が日常生活で注意することについてまとめています。

高安動脈炎(高安病)とは?

高安動脈炎は、大動脈や肺動脈などの太い動脈に好発する炎症によって、動脈に狭窄や閉塞、拡張などが起こってしまう病気です。免疫機能の誤作動で自分自身の身体を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つだと考えられています。

発熱や疲れやすい、倦怠感、食欲不振などの夏バテや風邪と間違われるような症状で始まり、進行するとめまいや失神発作、視力障害、上肢のしびれや冷感、息切れや動悸、高血圧などが起ります。血圧が右腕と左腕で大きな差があったり、手首の脈が触れにくくなることもあります。

以前は、高安病や大動脈炎症候群や脈なし病などと言われることもありましたが、現在は高安動脈炎を正式な病名としています。日本の発症者は約5000人いるとされ、男女比は1:9、中でも特に20~30歳代の若い女性に好発します。

高安動脈炎はどんな経過をたどるの?

副腎皮質ステロイドの単独治療を受けた場合、約30%の人は症状が治まるとされていますが、70%に再燃(一度治まった症状がぶり返すこと)がみられます。このように、高安動脈炎は再燃しやすいという側面を持っている病気であり、長い経過をたどることが大きな特徴です。

治療の目的は、できるだけ早く炎症を抑えて合併症を起きないようにすること、合併症を最小限に食い止めることです。一旦、炎症を起こした血管は、血栓症の原因となりやすいので、血液をサラサラにする薬を飲んで血栓を予防します。また、高安動脈炎の人は、動脈硬化にならないような食事をとるなど、日常生活に気を配る必要があります。

日常生活ではどんなことに気をつければ良いの?

野菜をたくさん食べてバランスの良い食生活を送るように心がけ、動物性脂肪やトランス脂肪酸の多い欧米食や塩分の多い食事を避けるようすることが大切です。
そして、ステロイドを服用しているときはウイルスや細菌に感染しやすくなるので、感染の予防のために、手洗いやうがい、マスクの着用などを習慣化するようにしましょう。

また、ストレスが高安動脈炎の症状を悪化させる要因になることが指摘されています。ストレスの原因になるようなことはなるべく避けるようにして、溜め込むことなくこまめに発散させるようにしてください。

その他にも過労や睡眠不足、喫煙などで症状が悪化すると考えられています。喫煙習慣がある人は禁煙に取り組み、規則正しい生活と十分な睡眠がとれるように、生活リズムを整えるように努めましょう。

おわりに:医師の指示通り気長に治療を続けながら、規則正しい健康な生活習慣を送ろう

高安動脈炎は長い経過をたどる疾患です。炎症が治まり自覚症状がなくなっても、その後に再燃する可能性があります。自己判断で薬を減らしたり中止したりすることは絶対にしないでください。また、症状が治まった後も、定期的な検査や診察を受けて経過を観察することが大切です。
薬での治療以外にも、症状を抑えたり合併症を予防するためには生活習慣の見直しが必要です。バランスのとれた食事と健康的で規則正しい生活が送れるように心がけてください。

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