腎盂拡張と水腎症の原因とは!?手術はどのように進められるの?

2018/2/6 記事改定日: 2018/10/3
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

水腎症は、何らかの原因で腎臓に尿がたまってしまうことがきっかけで、腎臓の機能が低下したり、排尿量が減ったりする腎臓の病気です。この記事では、腎盂拡張の原因と水腎症の治療法について解説しています。

腎盂拡張とその原因とは?

腎盂とは、腎臓で生成された尿が溜まる部位のことです。腎盂に貯められた尿は尿管を通って膀胱へ流れ、体外へ排出されます。
このように腎盂から膀胱へと向かう尿の通り道を「尿路」といいますが、尿路に何らかの通過障害が生じると腎盂に蓄えられた尿が正常に排出できず、腎盂に尿が過剰に溜まって拡張してしまうことがあります。この状態を「腎盂拡張」といいますが、尿管結石や腎結石、尿路系がんなどによって物理的に尿路が閉塞されることが主な原因です。

水腎症とは?

尿は腎臓で作られて、尿細管から腎盂、尿管、膀胱、尿道を通って体の外に排出されます。この尿の通り道(尿路)のどこかが狭くなっていると尿が貯まるようになり、内部の圧力が上昇して腎盂や腎杯が拡張します。これにより、腎臓の組織が委縮した状態になることを水腎症と言います。水腎症になると排尿量が減り、腎臓に尿が貯まるために腎臓の機能が低下します。

腎臓は左右にふたつありますが、両方の腎臓が水腎症になってしまうと腎不全を発症しやすくなります。病状が悪化して完全に尿の流れが止まると、背中から脇腹にかけて強い痛みが続きます。ここに感染が加わることもあり、その場合は発熱して痛みが強くなります。

水腎症には先天性と後天性のものがある

水腎症には、先天性と後天性の2種類があります。

先天性は、生まれつき尿が流れる経路が狭くなっているところがある場合です。最も多いのは、腎盂と尿管のつなぎ目が狭くなっているものです。このほか、尿管と膀胱のつなぎ目が狭くなっているものもあります。先天性の水腎症には遺伝的な要因が関係していると考えられますが、原因はまだはっきりしていません。

後天性のものとしては、腎結石や尿管結石で尿の流れ道がせき止められることが原因となります。このほか、神経因性膀胱やがん細胞の尿路への転移、がんが大きくなって尿路を圧迫することなどが挙げられます。

水腎症の治療の流れと3つの手術法について

水腎症の病状が悪化して腎臓の機能が落ちてくると、手術する必要が出てきます。腎臓と尿管のつなぎ目が狭くなっている場合には、腎盂形成術という手術が行われます。狭くなっている部位を取り除いた後、きれいにつなぎ合わせる手術です。
尿管と膀胱のつなぎ目が狭いために水腎症を発症しているときは、狭くなっている部分を切除して膀胱とつなぎ直します(尿管新吻合術と呼ばれます)。

膀胱の中に尿管瘤(尿管の端にできたこぶ)がある場合は、内視鏡手術で尿管瘤に穴をあけて症状を改善させる経尿道的尿管瘤切開術や、腎臓の上の部分と尿管瘤を全て切除してしまう手術が行われます。

手術後に発生する可能性がある合併症

水腎症の治療で行われる腎盂形成術は、切除した部位とつなぎ合わせた部位が狭くなって、再び尿の流れが悪くなることがあります。これは腎臓と尿管をつないだ場所が折れ曲がっているために、尿の通りが悪くなることが原因で起こります。
尿管新吻合術を行った時には、つないだ部位から尿が逆流することがあります。これは水腎症を発症している時に圧が強くかかることで、尿管が拡張してしまったために起こる合併症です。

経尿道的尿管瘤切開術を行った場合の合併症として、穴をあけた部位から尿が逆流することがあります。しかしこれはすぐに再手術が必要な症例ではなく、しばらく様子を見てから本当に必要な場合に限って再手術を行います。

おわりに:狭くなっている尿路がどこかによって手術法は変わる

水腎症は手術で治療しますが、尿路のどの部分が狭くなっているかによって手術法が異なります。ただ、手術をすれば完治するとは限らず、合併症を引き起こすこともあります。手術後も体調が思わしくないなど、気がかりな症状がみられたら、病院で診てもらった方が安心です。

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