急性心筋梗塞の再発は予防できる!?運動や食事での注意点とは?

2018/2/2 記事改定日: 2018/11/19
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

急性心筋梗塞は、冠動脈詰まったり、細くなったりして血流が止まってしまう症状です。早期に治療すれば症状は改善しますが、再発のリスクが高いともいわれています。
この記事では、再発しやすい理由とともに、普段からできる再発予防対策を紹介していきます。

急性心筋梗塞は再発する可能性があるの?

急性心筋梗塞は、冠動脈の詰まりが原因で血流が途絶えてしまう病気です。急性心筋梗塞を発症すると心臓の細胞が死んでしまうため、心臓を動かせなくなります。こうした重篤な状態になる前に、血管の詰まりを広げたり、新しい血液の通り道を作ったりする治療を行います。

しかし、こうした治療を行ったからといって、必ずしも再発しないわけではありません。たとえば、詰まった部分に風船のようなものを入れ、膨らませることで血管を広げる処置を行った場合、処置をしてから3カ月以内に再発しやすいという特徴があります。

また、新しい血液の通り道を作ったとしても、以前とは別の場所で血管が詰まれば再発してしまいます。このため、日頃から再発を起こさないように気をつけることが大切なのです。

急性心筋梗塞の再発を防ぐには、どんなことに気をつければ良い?

急性心筋梗塞の再発を防ぐために、まず、タバコを吸っているなら禁煙することが大切です。ニコチンは血管を収縮させる作用があるため、急性心筋梗塞を起こすリスクが高くなります。

お酒は飲んでも問題ありませんが、量を少なくしましょう。また、暖かい場所から寒い場所へ動くといった急激な温度変化があると、血圧が急に変化して心臓に負担をかけます。お手洗いや浴室などはあらかじめ温めておくなど、環境を整えましょう。
また、入浴時は、熱いお湯に長く浸かると負担がかかりすぎるので、38〜40℃のぬるめのお湯に3~5分ぐらいつかるようにしてください。

そしてトイレでの力みすぎも心臓や血管に負担をかけます。食物繊維の多い食事を心がけ、水分をたくさん摂って便秘を予防しましょう。

再発予防には、どんな食事がおすすめ?

食事では、特に魚が重要な鍵を握っています。普段から魚を食べている人は発症リスクが低くなりますので、積極的に摂るようにしましょう。また、オメガ3脂肪酸を摂ることも急性心筋梗塞をはじめとする血管病の予防に効果があります。オメガ3脂肪酸を豊富に含んでいるえごまやクルミ、しそ、亜麻仁油、菜種油をしっかり摂れるようなメニューを考えましょう。

心筋梗塞の再発予防レシピ

心筋梗塞の再発を予防するためには、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を改善する必要があります。特に脂質が多い食事を摂ることで高コレステロールの状態が続くと、治療した部位にも新たな狭窄を生じたり、別の血管に閉塞を引き起こす可能性があるので注意しましょう。ここでは、心筋梗塞の再発によいおすすめレシピを3つご紹介します。

和風サーモンパスタ

サーモンには、動脈硬化の原因となるコレステロールの排出を促すDHAとEPAが多く含まれています。和風の優しい味付けで、心筋梗塞後の人でもがっつりメニューのパスタを楽しめることができますよ。
鮭は適量を細かく刻み、キャベツや玉ねぎなどのお好みの野菜と共にフライパンでよく炒めます。そこに、鰹節や昆布でとった出汁を加え煮込みます。しょう油や塩コショウで味を整え、ゆで上がったパスタを和えれば完成です。

鶏むね肉とピーマンのソテー

ビタミンCは抗酸化作用があり、動脈硬化を予防する効果が期待できます。ピーマンはビタミンCが豊富に含まれており、ソテーにすることで、メインの一品にすることができます。
ピーマンは適当な大きさに千切りする。鶏むね肉(ぱさぱさ感が気になる場合は、片栗粉をまぶして30分ほど置くと柔らかくなります)はそぎ切りにし、お好みのキノコも適当な大きさにカットします。具材全てを少なめの油で炒め、酒を入れて5~10分ほど蒸し焼きにし、塩コショウ・しょう油・みりんなどで味付けしたら完成です。

トマトゼリー

食事制限中でも甘いデザートは食べたいものですよね。トマトには適度な甘みがあり、トマトに含まれるリコピンには抗酸化作用があります。トマトと必要最低限の甘みだけをプラスしたデザートがおすすめですよ。
完熟トマトは湯剥きします。ゼラチンを分量の水でふやかし、レモン果汁やお好みのジャム、はちみつを加えて甘みを整えます。トマトを容器に入れ、そこに出来上がったゼラチン溶液を流しいれて冷蔵庫で固まるまで冷やせば完成です。

適度な運動も必要。ただし、無理は禁物!

体調をみながら運動することも、急性心筋梗塞の再発予防に効果的です。できるだけ毎日、最低でも週に3~4回、1回あたり最低でも30分の運動を行いましょう。ハードな運動を行う必要はなく、ウォーキングやサイクリングといった有酸素運動を行うのがおすすめです。運動と食事は、毎日続けることで急性心筋梗塞の再発を予防できます。

運動時の注意点

急性心筋梗塞の再発を予防するためには適度な運動を行って生活習慣病を改善する必要があります。ただし、急性心筋梗塞は再発することもありますので、胸の痛みや違和感が現れた時は、すぐに運動を中止し、痛みが治まったとしてもなるべく早めに病院を受診するようにしましょう。
また、心臓の機能が低下している場合や、治療後まもなくの頃は医師から運動を禁止されることもありますので、必ず医師の指示に従うようにして下さい。

おわりに:生活習慣を改善して、急性心筋梗塞の再発を予防しよう

急性心筋梗塞は、生活習慣を改善しないと再発の可能性が高くなります。このため、普段から禁煙や節酒はもとより、食生活の改善や運動に取り組むことが大切です。
再発防止のためにも、生活環境を整えましょう。

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