冬にも脱水症状が起こってしまう原因と対策とは?

2018/1/23 記事改定日: 2019/5/9
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

脱水症状とは、体内の水分や電解質が失われることで、様々な症状が現れることです。汗をかきやすい夏に多いことはご存知かと思いますが、脱水症状は冬に起こりやすいということをご存知でしょうか。
この記事では冬の脱水症状の原因と対策について解説しています。

脱水症状はどんな状態のこと?

脱水症状とは、体内の水分と電解質が不足した状態のことを指します。
体液は酸素や栄養の運搬、尿や汗など老廃物を体外へ排出、体温調整のための発汗の役割を果たします。
しかし、脱水症状となるとこの体液が減少するため、これらの働きが阻害され、必要な栄養素が運搬されず、老廃物もどんどん蓄積されてしまいます。
その結果、脱水症状と呼ばれるさまざまな症状が起こるようになるのです。

冬に脱水症状が起きるのは何故?

夏と同様に冬も脱水症状が起こりやすいと言われます。
その理由は「外的環境による乾燥と内的環境による水分補給不足」と「ウイルス感染」に分類できます。

外的環境による乾燥と内的環境による水分補給不足

冬になると空気が乾燥するだけでなく、暖房の使用などによって空気がさらに乾燥します。そのため、皮膚や粘膜、呼気から水分が抜けていく不感蒸泄が増えてきます。
不感蒸泄で失われる水分量は、体重50Kg前後の人で1日約1L程度とされています。
冬は不感蒸泄が増えるのに「汗をかいていないから」という理由によって水分補給の回数と量が減る傾向があります。また、体感温度が低くなると人は喉の渇きを自覚しにくくなるといわれていることも、水分補給量が減る理由といえるでしょう。

冬は不感蒸泄が増量して水分補給量が減少することによって脱水症状が出現しやすくなるのです。
この水分が不足する脱水を水分欠乏性脱水(高張性脱水)と言います。

ウイルス感染

冬になるとノロウイルスやインフルエンザウイルスといったウイルスが蔓延し感染症状を引き起こす方も多くいらっしゃいます。

とくにノロウイルス感染に代表される感染性胃腸炎は嘔吐や下痢を主症状とするため体液が大量に体外に放出されます。
体液が体外へ大量に放出されると水分だけでなく、ナトリウムなどの電解質も体外へ放出されてしまいます。
この体液が大量に放出されることも冬に脱水症状が起こりやすくなる理由のひとつです。

また、嘔吐や下痢をしてしまったから水分補給をするのは良いのですが、この際に電解質を含まない水分のみを摂取すると細胞内の電解質が薄まってしまい、水分を摂っていても脱水を助長させてしまうという結果になります。
これを、食塩欠乏性(ナトリウム欠乏性)脱水(低張性脱水)といいます。

冬の脱水を予防するためにはどんなことに気をつければいい?

冬の時期は気温は高くないものの、空気が乾燥しているため気づかぬうちに脱水に陥っていることがあります。このため、乾燥に注意し、水分をしっかり摂ることが大切です。さらに、冬も日差しが強い日がありますので、外出時には日よけ対策を行いましょう。

具体的には以下のような対策が重要です。

  • 夏の時期同様にこまめに水分を摂る
  • 加湿器などを用いて室内の湿度を適度に保つ
  • 就寝中などの過度な暖房は控える
  • 厚着をしない
  • 適度に窓を開けて空気の入れ替えを行う
  • 日中に外出する際には帽子や日傘を利用し、長時間日なたにいないようにする

脱水から回復するにはどうすればいい?

脱水症状の改善のためには、こまめに水分を補給することが最も大切です。
一度に大量の水を飲むのではなく、1時間ごとにコップ1杯の水を飲むように心がけましょう。
寝る前、起床後、入浴前後、運動前後では水分が喪失されるので意識して水分を摂るようにすると良いでしょう。

食事の際にも水分の多いメニューを加えるなどして意識して水分を摂れるように工夫すると良いでしょう。

また、下痢や嘔吐をしている場合や高熱で多量に汗をかいた後は電解質が失われているため、経口補水液など電解質を含む水分を摂取しましょう。

このときも一度に多量に飲むのではなく、時間をかけて少しずつ飲むことが大切です。
特に嘔吐をしている場合は多量に水分を摂ることでせっかく摂った水分を嘔吐で喪失させてしまう可能性もあります。
少量で試してみて飲めるようであれば量を増やしていくようにしましょう。

おわりに:冬も夏と同様に脱水対策が必要。こまめ水分補給を!

夏と同様に脱水症状となるリスクが高い冬も積極的に脱水予防をしていくことが必要となります。水分はこまめに摂るように心がけてください。特に、感染症などにかかった場合は意識して電解質の入っている水分を摂るようにしていきましょう。

この記事に含まれるキーワード

脱水症状(28) 高張性脱水(1) 水分欠乏性脱水(1) 低張性脱水(1) ナトリウム欠乏性(1)