食道アカラシアの治療で、第一選択とされている方法とは!?

2018/2/26 記事改定日: 2018/11/7
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

食道アカラシアとは、食べたものが食道から胃へとスムーズに流れなくなってしまう病気です。
この記事では、食道アカラシアを発症した場合にどのような治療法があるのか、どの治療方法が第一選択とされているのかを解説します。

食道アカラシアの原因

食道アカラシアとは、食道の運動機能障害の一種です。食道と胃のつなぎ目のところに、下部食道括約筋という筋肉があります。食べ物を飲み込むと、この下部食道括約筋が弛緩して、食べ物が速やかに胃に流れます。

しかし、食道アラカシアになるとこの下部食道括約筋の機能が阻害され、食べ物を飲み込んでも下部食道括約筋が弛緩しなくなったり、逆に収縮してしまったりして、食べ物がずっと食道に溜まった状態となってしまいます。

食道アカラシアの症状

食道アカラシアは発症初期の段階では自覚症状が少なく、胃の不調と間違われ放置されるケースも少なくありません。しかし、放置すると症状が悪化したり、食道がんの発症リスクも高くなるので以下のような症状が続く場合には、病院を受診して適切な検査を受けるようにしましょう。

  • 胸のつかえ感
  • 前胸部の痛み
  • 食後すぐや夜間を中心とした嘔吐
  • 夜間の咳
  • 呑酸

食道アカラシアの3つの代表的な治療方法

食道アカラシアの代表的な治療方法として、薬物治療、内視鏡を用いた治療(バルーン拡張)、外科治療の3つがあります。

薬物治療では、下部食道括約筋の圧を下げる作用のある薬(カルシウム拮抗薬、亜硫酸製剤など)を服用します。食道アカラシアによって病態が進行している場合は、薬物治療の効果が得られない場合もあります。

内視鏡を用いた治療では、下部食道括約筋の部分に医療用の風船を入れて食道を広げます。バルーンで広げることによって、下部食道括約筋の一部を裂き、食道から胃への流れを良くします。
外科治療は、食道アカラシアの治療の中でも最も効果が高いとされる治療方法です。下部食道括約筋を含めた食道から胃にかけての筋肉を一部切開して切除し、筋肉の一部を食道から乖離させます。これにより、食道の一部が粘膜だけとなるので、食べ物が通りやすくなります。

内視鏡的筋層切開術(POEM)について

食道アカラシアの治療の中でも、内視鏡を使った内視鏡的筋層切開術(POEM)は食道アラカシアの治療のために広く行われるものです。

内視鏡的筋層切開術(POEM)では、まず食道の粘膜に孔(あな)をあけ、内視鏡を挿入するための入り口を作ります。
次に、下部食道括約筋がある筋層を切開するための準備として、胃に向かって粘膜と粘膜の下にある筋肉との間に、内視鏡の通り道となるトンネルを作成します。食道は内側(粘膜側)より2重に筋肉が重なっており、内側は輪状筋、外側を縦層筋で構成されています。内視鏡を使って、内側にある輪状筋のみを食道から胃に向かって切開していきます。最後に、内視鏡の通り道として開けた孔(穴)をクリップという金具で閉じて終わります。

食道アカラシアの手術の流れ

食道アカラシアの治療で最も効果があるのは、外科手術です。
外科手術では、最初に下部食道括約筋を含む食道を剥離します。このとき、食道の前後に位置している重要な神経は温存します。次に、胃の上部と膵臓の間にある血管を切り離して、胃を動かせるスペースを確保します。

その後、食道を切開(下部食道括約筋から食道部へ約6cm、胃側へ約2.5cm)し、食道の前側の部分の粘膜を露出させます。そして、食道ブジーと呼ばれる柔らかい棒を口から挿入し、食道の太さを一定に確保した状態で食道の粘膜が見えている部分を覆います。最後に、食道や胃が胸の方に入り込んでしまうことがないよう固定したら手術を終えます。

食道アカラシアの治療で、手術が第一選択とされる理由とは?

食道アカラシアは、軽度であれば食道の筋肉を緩める薬物療法や、内視鏡で食道を拡張させるバルーン拡張術を行うことで症状を緩和することができます。しかし、これらの対処療法は症状を緩和させることはできますが、根本的な治療ではなく、徐々に症状が悪化したり、再発することもあります。
このため、根本的な治療であり症状の消失や再発を予防可能な治療方法である手術が第一に選択されます。

おわりに:食道アカラシアは薬物治療、内視鏡治療、外科治療があるが、最も効果があるのは外科治療

食道アカラシアの治療法として、カルシウム拮抗薬などを使った薬物治療と内視鏡を使った内視鏡的筋層切開術(POEM)、そして外科手術があります。このうち、もっとも効果があるのは外科手術による治療といわれています。

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