記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/13 記事改定日: 2018/9/19
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
低血糖は血液中のブドウ糖が著しく低下することであり、命に危険が及ぶ場合があります。睡眠時に起こる夜間低血糖は、自身が眠っているときに起こるので、さらに危険です。この記事では、夜間低血糖について解説しています。糖尿病の人は特に注意が必要なので、参考にしてください。
夜間低血糖とは夜間眠っている間に低血糖症状を起こしてしまうことです。
眠っている間に低血糖を起こしてしまうことから対策が困難であり、命にかかわる危険もあります。
夜寝汗をよくかく、嫌な夢をよく見る、朝の起床時に頭痛がする、朝食後の血糖値が異常に低いという場合は夜間低血糖となっている可能性が考えられます。
これらは低血糖によって交感神経が優位になることで起こる症状といわれています。
夜間低血糖となってしまう原因として考えられるのが
などが挙げられます。
dead in bed症候群とは、糖尿病患者が夜間に原因不明の突然死を引き起こすものです。特に若年の1型糖尿病患者に起こりやすいとされていますが、まれにインスリン治療が必要なⅡ型糖尿病患者でも生じることがあります。
dead in bed 症候群の発症メカニズムは明確には解明されていませんが、夜間の低血糖が発症に関与するとされていて、低血糖によって睡眠中に昏睡状態や意識障害となったり、致死的な不整脈を引き起こすことが主な死因と考えられています。
睡眠中に低血糖が生じても自覚できない場合が多いため、低血糖に対する対処が遅れ、結果として重篤な低血糖状態となって、これらの死につながる症状を引き起こすことがあるのです。
このため、常に正常な血糖値を維持できるように適切な治療を続けたり、生活習慣を見直すことが大切です。
低血糖とは血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が低くなった状態で、糖尿病の治療をしている人に多く見られる状態です。
血糖値が70㎎/dl以下となると、体は血糖値を上げようと体に変化が起こります。また、50mg/dl未満となると脳などの中枢神経がエネルギー不足となり、機能異常が起こります。そういった時に出てくる症状が低血糖症状です。
低血糖症状は血糖の値によって症状が異なります。
70mg/dl以下となると交感神経症状として、冷や汗、動悸、手や指のふるえ、頻脈、顔面蒼白、不安な気持ちになるといった症状が見られます。
50mg/dl程度となると中枢神経症状として、頭痛、目の霞み、集中力の低下、あくびといった症状が見られます。
さらに30~50mg/dl以下となると痙攣、昏睡、異常行動などが見られます。
同じ薬を使用していても、食事内容や食事を摂る時間によって血糖値は大きく変わります。夜間低血糖の予防のためには、食事による血糖値の変化を正しく把握することが重要です。食事と血糖値のバランスを知るためには、就寝前にも血糖値測定を行いましょう。
血糖値が低かった場合には、タンパク質と脂質を程よく含み、糖質が少ないチーズ、ナッツ、焼き鳥、ホットミルク、豆腐などを食べるようにしましょう。また、夕食の内容は血糖値の急上昇&急降下を防ぐ目的で、ご飯やパンなどの糖質を抑え、たんぱく質を増やす食事をおすすめします。
また、夜間低血糖を起こしてしまったときは、起きられるようであれば糖分(ブドウ糖)を摂取しましょう。緊急時に備えて、枕元にブドウ糖を準備しておきましょう。
起きられない場合は、家族の協力が必要です。低血糖症状が起こったときの対処法を事前に伝えておき、グルカゴン注射を打ってもらい、救急要請をしてもらい病院へ連れてってもらいましょう。
低血糖は、糖尿病であれば誰にでも起こりうる可能性があります。自分での対策が難しい「夜間低血糖」は事前に対策をとっておく必要があります。
睡眠中に低血糖を起こさないように、自分の傾向を把握することはもちろんですが、家族に低血糖時の対処法を伝え、協力体制を整えておくことも重要です。
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