イラクサの効能とは?鼻炎に効果があるって本当?

2018/5/7 記事改定日: 2019/3/27
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

サプリメントとしても販売されている「イラクサ」には、鼻炎を改善する効果があると言われていますが、これは本当でしょうか?イラクサの効能や摂取上の注意点などについて解説します。

イラクサってどんな植物?

イラクサはイラクサ科イラクサ属の多年生植物で、ハーブの一種です。高さは30~50cm程度になるものが多く、茎や葉の裏面が細かいとげに覆われており、とげが刺さると強い痛みと手の腫れを伴うのが特徴です。

原産地はアジアやヨーロッパで、イラクサは「とげのある草(刺草)」という意味の和名です。ヨーロッパでは、一般的にネトルの名前で知られていますが、日本にも関東から西、近畿から九州にかけて分布しています。ただ、基本的に高温多湿に弱く、森林などに自生する植物なので、ヨーロッパの方が多くみられます。

根、茎、葉まですべての部位に体に良い成分があるとされ、日本でもヨーロッパでも民間療法の薬の原料やハーブティーの材料として使われてきました。

イラクサはどのように使われている?

イラクサの歴史は古く、ヨーロッパでは2000年以上前から知られてきました。当初は、さまざまなアレルギー症状の緩和を目的に使われていたようです。

紀元1世紀ごろには、古代ギリシャの医師によってイラクサの葉に利尿・便通を促す作用が発見され、薬草としてのイラクサの使い方に広がりが出てきました。さらに、19世紀に起こったアメリカの南北戦争では、従軍医が止血用の包帯にイラクサを浸した水をしみこませていた、という記録を残しています。このように、イラクサは人の歴史ととともに、新しい利用方法や効果を見出されながら、長きにわたって薬として活用されてきました。

また、イラクサにはβカロテン、ビタミンC、葉酸、鉄、カルシウム、マグネシウム、クロロフィル、フラボノイドなど多様な栄養成分が含まれています。特に、フラボノイドやクロロフィルには血液の浄化・造血を促す作用があるため、現代でもアトピー性皮膚炎や花粉症など、アレルギー症状を緩和する目的で使用されています。

イラクサはどのように摂取できるの?

健康に良い成分を含むとされるイラクサですが、どうすれば摂取できるのでしょうか。ここからは、イラクサの摂取方法を2つご紹介します。

ハーブティーとして飲む

イラクサは、ハーブティーとして飲むことができます。緑茶のような、ふんわりと甘い草の香りが特徴で、ストレートなら食事と一緒に楽しめますし、はちみつなどで甘みを加えてもおいしくいただけます。

淹れ方は、イラクサの葉をティースプーン2杯程度用意し、300ccほどのお湯を注いだら、3分くらい蒸らしてから飲むのが一般的です。また、1回当たりのイラクサの葉の量を減らして紅茶や他のハーブとブレンドすることで、また違った味わいや効果のあるハーブティーとして楽しむこともできます。

サプリメントで摂取する

ハーブティーとして人気のあるイラクサですが、近年ではその成分や効果が注目され、効率的に成分を摂取できるサプリメントも販売されています。錠剤やカプセルなど、さまざまなタイプのサプリメントがありますので、好みにあわせて無理なく摂取し続けられる形状のものを選ぶと良いでしょう。

イラクサはアレルギー性鼻炎に効果がある?

ここからは、イラクサの持つ抗アレルギー効果について解説していきます。

 

アレルギー性鼻炎とは?

アレルギー性鼻炎は、一般的に花粉症として知られているアレルギー疾患で、突発性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどの鼻炎症状を伴います。朝や夜、空気の乾燥しているときに特に症状が出やすくなるのが特徴です。

イラクサに含まれる作用

イラクサの作用で代表的なのは「浄血」と「造血」の2つです。

まず「浄血」とは、イラクサの作用により血液や体の老廃物の排出を促し、利尿や便通を良くすることで血液をきれいにして浄化する作用のことを言います。

一方、「造血」とは血液を作る作用のことです。イラクサには血液のもととなる鉄分と、鉄分の吸収を良くするビタミンCの両方が豊富に含まれているため、この効果があるとされます。

イラクサを摂取すると上記2つの作用が働き、イラクサが浄血・造血を促すことで、花粉症などアレルギー性疾患などの免疫・代謝疾患の予防・改善に効果的とされているのです。

イラクサを摂取する上での注意点とは?

最後に、イラクサを摂取するうえでの注意点も確認しておきましょう。

イラクサに副作用はある?アレルギーの危険性は?

イラクサは薬品ではないため、使用による副作用は基本的にありません。ただ、体質によっては軽度の胃腸症状を起こす方もいます。また、キク科の植物にアレルギーがある人が摂取する場合や、生のイラクサの葉やとげに触れた場合には、まれにアレルギー反応を引き起こすケースもあります。

これらの2点に注意し、様子をみながら摂取すると良いでしょう。

妊娠中の摂取について

基本的に、妊娠中のハーブ類の摂取は避けるべきと言われていますが、その栄養素の高さから、イラクサは古くから妊娠中の栄養補給のために摂取されてきました。しかし、近年の研究では「妊娠中のイラクサの摂取が、流産の誘因となる」とする説も報告されています。

ただ、妊娠中のイラクサの危険性については、研究者や、イラクサのどの部分を摂取するかなどの条件によっても、意見が分かれています。妊娠中にイラクサを摂取したい場合は、必ず医師に相談のうえ摂取しましょう。

おわりに:イラクサにはアレルギー性鼻炎に対し、一定の効果が認められる

イラクサはアレルギー症状の緩和を目的として、長く人々に親しまれてきました。近年の研究で、浄血・造血の作用から、鼻炎などのアレルギー性疾患に効果を発揮する科学的根拠も明らかになっています。鼻炎の治療薬としてイラクサを使用したい場合は、摂取方法や量を医師に相談して上手に活用しましょう。

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