記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/7 記事改定日: 2018/12/11
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
この記事では、低血圧を引き起こす原因と改善方法について解説していきます。
原因がわかっているもの、はっきりしないものにも使える改善方法を紹介していきますので、低血圧に悩んでいる人は参考にしてください。
血圧とは、心臓から送りだされた血液が動脈の壁に与える圧力のことで、送りだしたときの血圧の数値を「最大血圧(収縮期血圧)」、戻すときを「最小血圧」といいます。WHO(世界保健機関)では、血圧の正常値は最大100~130mmHg、最小61~89mmHgとしていますが、「低血圧」は、こうした正常値より低い状態をいいます。
低血圧の原因は、遺伝や体質によるものが大半ですが、他の疾患や薬の副作用で起こることもあります。
低血圧は、血液を送り出す心臓のポンプ力が弱まり、全体の血液の流れに力強さがなくなって、血液が心臓に戻るのが遅れさらに心臓からの流れが悪くなる、という悪循環からあらわれます。長時間立っていると、脳への血液の流れの弱さから血液量が減り、「脳貧血」(立ちくらみやめまい)を起こす場合もあります。
低血圧は望ましくない生活習慣が原因のことがあります。
高血圧を引き起こす生活習慣としては、食生活や睡眠リズムの乱れが挙げられます。食生活や睡眠の乱れは低血圧だけでなく様々な不調の原因となりますので注意しましょう。
特に若い女性では、過度なダイエットを行うことで低血圧を引き起こしている人が多いと言われています。適正な血圧を維持するためには筋肉量を維持することが大切です。そのためにもタンパク質の十分な摂取を心がけ、血液量を維持するために十分な水分を摂るようにしましょう。
また、睡眠リズムの乱れは朝の低血圧を引き起こすことが多いです。毎晩決まった時間に就寝し、睡眠時間や休息を確保することが大切です。
低血圧は、何らかの病気が原因の場合があります。低血圧を引き起こす代表的な病気には以下のようなものが挙げられます。
生活習慣を改善しても低血圧が改善せず、日常生活に支障を来たしている場合や他の症状がある場合は、放置せずに病院を受診して検査・治療を受けるようにしましょう。
低血圧の人は自律神経が乱れやすい傾向があり、朝の目覚めが悪い、午前中は調子がでない、肩こり、冷え症、めまい、立ちくらみなどの症状を慢性的に持っていることが多くあります。
特に本態性低血圧(原因がはっきりしない低血圧)では、疲れやだるさ、めまい、耳鳴り、肩こり、不眠、食欲不振、集中力の低下、動悸、息切れなどの症状があらわれ、朝に弱い人が多くみられます。
立ちくらみなどが特徴の起立性低血圧では、一時的に目の前が暗くなり気が遠くなったり、失神する場合があり、動悸や胸やけ、吐き気、みぞおちあたりの痛みなどを起こすこともあります。
病気が原因の二次性低血圧の原因疾患には、命に危険を及ぼすものもあります。低血圧の症状があるときは、早めに病院に相談しましょう。
まず、塩分やタンパク質をバランスよくとることが大切です。特に食塩やミネラル、植物性タンパク質が豊富な「味噌」や、血圧をコントロールする物質を含む「チェダーチーズ」などはおすすめです。アルコールは控え、自律神経のバランスを乱さないよう十分な睡眠と早寝早起き、1日3回のバランスの良い食事を心がけ、適度な運動を生活に組み込んだ規則正しい生活をすることが大切です。
食後に低血圧になる人は、食事のときにコーヒーや緑茶などカフェインを含むものを飲むと、血管を広げる働きを抑えやすくなります。午前中が苦手という人は、出勤前に熱めのシャワーを浴びたり、ウォーキングやストレッチなどで朝一番に体を温めて血流をよくするとよいでしょう。
また、漢方薬や鍼灸など、東洋医学による治療が効果を上げる場合もあります。
ただし、二次性低血圧のような病気が原因の低血圧は原因疾患の治療が必須です。対策しても良くならないときは、早めに医師に相談しましょう。
低血圧の原因のほとんどは遺伝や体質的なものといわれています。改善するには、規則正しい生活とバランスの良い食事、適度な運動が大切です。ただし、重い病気が関係している場合もあります。低血圧そのものは病気ではありせんが、つらい症状が続くようであれば、病院で診察をうけましょう。
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