記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/20 記事改定日: 2018/10/17
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
特に女性はお悩みの方が多い便秘。今回の記事ではそんな便秘を解消するマッサージやツボ押しについて、やり方を詳しくご紹介します。
いくつか試しながら、自分にあうものを見つけてみてください。
マッサージには大腸を刺激し、腸のぜんどう運動を促す作用があり、簡単ですが便秘解消への高い効果が期待できます。以下に、便秘解消に効果のある代表的なマッサージを3つ紹介しますので、起床時のベッドの中や、座っているときなどに行うと良いでしょう。
おへそ周辺、下腹部に両手を重ねて置いて、時計回りにやさしくなでます。気持ちよく感じるくらいの力加減で10〜20回さすると、腸の働きが良くなります。
背筋を伸ばした状態で、両手で腰の下から背中にかけて上下にさすり、腰の血流を良くすることで便意をおきやすくするマッサージです。さすり上げるときは指に、さすり下ろすときは掌に力を入れるよう意識しましょう。
便が滞留しやすいS字結腸にあたる左下腹部、腰骨の内側あたりに手を置き、もう片方の手を添えて軽く20回くらい押します。
その後、押していた位置から斜め下に向けて足の付け根まで軽く押しながらゆっくりと撫で下ろし、これを10回繰り返すとおなかの張りと便秘解消に効果的です。
人の体には360ものツボがあると言われ、その中には便秘解消に効果があると言われるものもあります。以下に、便秘解消に効果的な「手」「足」「おなか」「背中」の4つのツボを、押し方と一緒にご紹介していきます。
なお、それぞれのツボは左右対称にあるので、押すときは左右両方のツボを、1か所につきゆっくりと3〜5回ずつ押すようにしてくださいね。
1つめは「合谷(ごうこく)」と呼ばれる、人差し指と親指の骨が交わる内側に位置するツボで、もう片方の手の人差し指・親指で挟むように押すと効果的です。
2つめは、手首の関節の小指側のくぼみにある「神門(しんもん)」で、親指やペンでぐりぐりと押すと良いでしょう。
1つめの「三陰交(さんいんこう)」は、足の内側、くるぶしの骨から指4本分上部の骨の後ろのくぼみにあります。指やペンで、左右にゆするようにぐりぐりと指圧してください。
2つめの「足三里(あしさんり)」は、足の外側のひざより指4本分下に位置するふくらみのことで、親指や中指でぐりぐりと揉み押すと効果的です。
1つめは、それぞれおへそから指3本分外側にある「天枢(てんすう)」です。左右同時に、人差し指・中指・薬指の3本でおなかが軽くへこむくらい押し込んでください。
2つめは、天枢から指3本分下側に位置している「大巨(だいこ)」で、こちらも左右同時に両親指で押し込むように刺激すると良いです。
1つめは、背中側の一番下の肋骨から指幅2本分下、さらにそこから指幅4本分外側の左右に位置するその名も「便秘点(べんぴてん)」です。左右同時に押しながら、上半身を左右に数回捻る運動をすると、便秘解消に効果的です。
2つめは、背骨から指幅2本分外側で、腰骨の高さの位置にある「大腸兪(だいちょうゆ)」と呼ばれるツボです。大腸兪は、仰向けに両膝を立てた状態でこぶしを当てて横になり、体重をかけて左右にゆっくりと動かすのを数回繰り返すと、効果的に刺激できます。
温罨法とは、便秘解消を目的に腹部や腰部を温める対処法のことです。
温罨法は、ホットタオルやカイロなどで腹部や腰部を温め、その温めた部位が4℃程度上昇し、一時間以上経過しても2℃以上の上昇が続く刺激を与えます。継続した温刺激を与えることで、腸の蠕動運動を刺激する効果が期待できるのです。
どれくらいの期間行えばよいのか、一日何回行えばよいのか、その効果の違いについては正確なデータはありませんので、期間や頻度に関しては、排便状況や腹部症状などによって各自で調整するようにしましょう。しかし、温罨法を続けても排便にいたらない場合は、腸に何らかの病気がある場合もあります。病院を受診して検査・治療を受けるようにしましょう。
お風呂に入っているときに、おへそを中心に腸の動きと同じひらがなの「の」の字を書くようにおなかをさすると、温熱効果とマッサージの効果で血行と腸の動きが促進されて、便秘解消が期待できます。このとき、お風呂のお湯は半身浴と同じ胸の下くらいまでの水位で、38〜40℃までのぬるめの温度に設定してください。
高温のお湯や、30分以上の長風呂は身体や腸を疲れさせてしまう恐れがあるので、入浴しながらのマッサージは、15分までを目安に行うようにしましょう。
便秘マッサージを行うのに、特に効果的というタイミングや時間帯はありません。ただし、便秘マッサージは毎日決まった時間に継続的に行うことで、効果を発揮します。
毎日続けるためには、寝る前や起床直後など、自分でマッサージをするタイミングを決めておいて、習慣づけるのがおすすめですよ。
マッサージや温罨法は便秘解消に効果的であると考えられています。しかし、以下のような場合には便秘を悪化させるだけでなく、様々な弊害を生じることがありますので注意が必要です。
便秘は、ちょっとした不調や体質から誰にでも起こり得るものです。ちょっとしたものなら、薬を使わなくても毎日のマッサージやツボ押しで症状を緩和できることがあります。毎日続けることでより高い効果を得られますので、うまく生活習慣のなかに取り入れて、便秘症状の改善を目指してくださいね。
ただし、慢性的な便秘は病気が原因で起こっていることもあるので、いつまでも改善しない場合やマッサージで悪化する、痛みなどの症状が出る場合は早めに病院を受診しましょう。
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