記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/7 記事改定日: 2019/1/11
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
動悸と息切れは併発することの多い症状ですが、原因としては何が考えられるでしょうか?めまいを伴う場合や、更年期の動悸・息切れの原因などを詳しく解説します。
動悸や息切れには危険な病気が隠れていることも少なくありません。
セルフチェックに役立ててください。
動悸、息切れ、めまいが見られる場合、原因となる不整脈のうちの上位にあげられる疾患が心房細動です。心房細動とは脈拍が不規則になってしまう不整脈で、脳梗塞を起こすリスクが高いことで知られます。
心房細動になると心拍が不規則かつ速くなるため、動悸を感じるようになります。また心拍数が速い分心臓が疲弊し、収縮機能が低下するために血液を送り出せず、息切れが起こります。それによって血圧が下がることに加えて、心房細動のある人は洞不全症候群という脈拍が遅くなる病気を併発していることがあるため、洞結節が動くのが遅れる間、心拍が停止するために、脳に血液が行き届かずめまいが起こるようになるのです。
鉄欠乏性貧血が原因で、動悸や息切れ、倦怠感が起こるケースもあります。
鉄分が不足すると、酸素を全身へ運ぶヘモグロビン(鉄を含むヘムとタンパク質が結合してできたもの)の数も減ることで、各細胞が酸素不足に陥り、倦怠感や動悸、息切れ、食欲不振などの諸症状を引き起こすようになるのです。
貧血は、男性よりも女性の方がなりやすい病気です。女性には毎月生理が来て一定量の血液を失い、体質的に貧血になりやすい人が多くいます。
一方、男性は体質的に貧血になりやすい人は少なく、男性の貧血はがんや胃潰瘍など体内のどこかで出血を生じる病気が原因のケースが多く見られます。これらの病気による貧血は、めまいや動悸、息切れなどの症状が強く現れやすく、便が黒くなったり、血が混じったりといった症状が見られるのが特徴です。
思い当たる症状がある人は、早めに病院を受診して適切な検査を受けるようにしましょう。
更年期になると、特に激しい運動をしたわけではないのに動悸や息切れが起こることがあります。
これは、更年期になって女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減ったために、呼吸や心拍をコントロールする自律神経が乱れたことで起こる現象です。
こうした動悸や息切れはストレスや疲労の蓄積で、悪化する傾向があります。
動悸や息切れに加え、むくみや呼吸困難も見られる場合は、心不全のサインの可能性があります。
心不全になると心臓のポンプ機能の低下に伴い、全身に血液が送られなくなることで、疲労感や四肢の冷えなどが見られるようになり、全身の血液が心臓に戻らず血中の水分が肺へ浸み出すことで息切れが起きたり、呼吸困難に陥ったりするのです。
そしてむくみは、うっ滞した静脈から水分が浸み出したことのサインで、心不全の場合は主に下肢でむくみが見られます。
動悸と息切れ、むくみが続くときは早めに病気を受診しましょう。
過労やストレスは心臓の冠動脈を過度に収縮させて虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)を引き起こし、突然死や過労死の原因になる場合があります。
このため、過労やストレスが原因で動悸や息切れがある人は突然死や過労死につながることもありますので注意が必要です。
突然死や過労死の前兆となる症状には、動悸や息切れ以外にも以下のような症状があります。
また、突然死や虚血性心疾患の家族歴がある人や、肥満・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病を患っている人、喫煙習慣のある人は虚血性心疾患を発症するリスクが高いですので特に要注意です。
当てはまることが多い人は、早めに病院を受診して検査・治療を受けるようにしましょう。また、十分な休息や睡眠時間を確保して心身ともに健康な生活を送るよう心がけましょう。
動悸や息切れは、心不全や心房細動など重篤な病変のサインのことがあります。むくみや呼吸困難、めまいなど併発する症状に注意し、すぐに病院を受診することが大切です。
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