いぼは薬を使わずに治すって本当?具体的な治療法は?

2018/9/26

谷口 隆志 先生

記事監修医師

川崎たにぐち皮膚科、院長

谷口 隆志 先生

人目に触れることの多い顔や手足などにいぼができてしまった場合は、できるだけ早く治したいですよね。実はこのいぼ、薬を使わずに治療していくということをご存知でしたか?詳しいいぼの治療法について、以降でご紹介していきます。

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いぼは薬を使わなくても治るの?

いぼは、感染したウイルスに免疫反応が起こり、自然に治ることがあります。ただし、免疫反応が起こるまでには数ヶ月~数年という長い歳月がかかるため、その間にいぼが成長や増殖を続けるといわれています。

また中には10年以上いぼが治らない場合もあるほか、放置している間に身体の他の部位に移る可能性もあります。いぼが小さく、数が少ない初期の段階で、早めに病院やクリニックへ受診することをおすすめします

いぼは薬を使わずにどうやって治療するの?

いぼの治療では、特効薬となる薬の内服治療はありません。主に以下の3つの治療法が行われます。

凍結治療(液体窒素療法)

凍結治療は、冷凍治療や液体窒素療法とも呼ばれています。窒素を-196℃に冷却した液体窒素を綿棒に含ませ、いぼを急激に冷やします。このようにウイルスが感染した細胞にダメージを与え、新しい皮膚の再生を促進させる治療法です。

ただし、一度の治療で完治させることは難しいため、1週間に1回程度のペースで治療を続けます。また完治するまでの期間は、いぼができた部位や個人によって異なり、中には半年以上かかる場合もあります。

メリットとして、凍結治療は標準的治療のため、多くの皮膚科で受けることができます。また1回の治療は5分程度と短い上に比較的効果が高く、いぼの治療効果や大きさなどを見ながら治療を進めることができることも特徴のひとつです。

その一方で、治療中や治療後に痛みが出る、長期間にわたって治療を続ける必要があるというデメリットも存在します。また水ぶくれとなったり、色素沈着などを起こす可能性もあります。

絆創膏の貼付(サリチル酸配合)

サリチル酸には、皮膚の角質をやわらかくする効果があるといわれています。このサリチル酸を配合した絆創膏を貼り、その皮膚の下をふやけさせて皮膚を剥がすことで最終的にいぼを皮膚から取り除く治療法です。

この治療法では、いぼより少し小さめに切った絆創膏を貼り、数日間程度貼ったままにします。その後、いぼが白くふやけてきたら、病院を受診し、いぼを削るということを繰り返し、少しずついぼを小さくしていきます。

メリットとして、サリチル酸を配合した絆創膏による治療は、凍結治療と比較して痛みが少ないといわれています。ただし、ほぼ毎日絆創膏を貼ったり、数日ごとに貼りかえる必要があるほか、皮膚がサリチル酸などの刺激を受けて炎症を起こす可能性もあります。

レーザー治療

炭酸ガスレーザーや電気メスでいぼを焼き、取り除く治療法です。一般的に強い痛みが生じる場合がある手足や顔などには、局所麻酔薬を使用してから行います。

いぼを取り除いた後は傷となるため、軟膏に抗生物質を含ませ、ガーゼなどで保護します。皮膚が再生するまでは軟膏を塗り、ガーゼの保護を続けます。

レーザー治療は一回の治療でいぼを見ながら取り除くことができるため、一度で完治できる可能性があります。しかし一方で、いぼの焼き加減が難しいため、いぼを浅く焼いた場合には再発の可能性が高くなったり、深く焼いた場合には治るまでに時間がかかったりします。また治療後に色素沈着などを起こす場合もあります。

ヨクイニン内服を併用することも

病院によってはこれらの治療と並行して、ヨクイニン内服も行って症状の改善を図る場合があります。ヨクイニンとはハトムギから抽出されたエキスを主成分とした漢方薬です。新陳代謝を促進させる効果があるといわれ、いぼや水いぼ、ニキビなどの肌荒れなどにも広く使われています。

おわりに:自分に合った治療法で、早めの改善を目指そう

いぼの治療法にはさまざまなものがあり、メリット・デメリットや治るまでの期間なども異なります。治療法については医師からしっかりと説明を受け、納得したうえで治療を進めましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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