記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
毛細血管の拡張による紅斑や赤み、皮脂の過剰分泌、吹き出物などが、鼻・頬・あごなど顔の中心部に発症する「酒さ」。
今回は酒さの治療方法について、代表的な治療法や、酒さを悪化させないために知っておきたい避けるべき食品まで、わかりやすく解説していきます。
酒さの治療法には大きく分けて「環境の見直し」「投薬」「スキンケア」の3つがあり、それぞれ症状の程度にあった方法で、組み合わせながら治療を行っています。
以下では、3つの治療方法について簡単にご説明していきます。
酒さの症状を悪くする原因の一部に、紫外線や極端な外気温・室内気温、そして屋内外の気温差、湿度、風、または刺激物など食べ物による肌への刺激が挙げられています。
このため、普段の生活から酒さを発症・悪化させるような要因がないかを見直し、肌への刺激を極力控える生活にすることが、有効な治療手段となり得るのです。
酒さの原因と考えられている皮膚の雑菌の増加や、皮脂の過剰分泌をおさえ、できものや痛みを抑えてくれる投薬治療も、酒さ治療に非常に効果的です。
酒さの治療に使われる外用薬・内服薬の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
日ごろ使っている洗顔料や化粧品の刺激が原因で、酒さを起こしている可能性も考えられます。このため、化粧や洗顔を含むスキンケア方法の見直しも、酒さ治療には欠かせません。
「刺激物など食べ物による肌への刺激が酒さを引き起こす恐れがある」と述べたように、食べ物が酒さの発症・悪化にかかわっているという見方もあります。
酒さを悪化させる可能性のある食べ物には、以下のようなものがあります。
これら酒さに良くないとされる食品に共通している要素は、血管拡張作用のあるヒスタミンという成分を含む食品である、という点です。
酒さの初期症状である紅斑・赤みが、毛細血管の拡張によるものと考えると、ヒスタミンを含む上記のような食品は控えた方が良いといえるでしょう。
酒さの治療は、環境の見直し・投薬・スキンケアの3本柱で行われます。また、酒さの発症には食品の影響もあると考えられているため、食生活の見直しも有効な治療法となるとみられています。いずれの治療法をとるにしても、酒さの治療には医師による診断とアドバイスが欠かせません。酒さの疑いがあるときはできるだけ早く皮膚科の病院に行って、医師に相談してくださいね。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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