空気清浄機を使ったハウスダスト対策のポイントと注意点

2022/9/6

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ハウスダストは空気中に舞い上がるため、呼吸器系のアレルギー症状の原因になりやすく、肌トラブルの原因にもなります。空気清浄機での対策がおすすめですが、空気中のハウスダストを除去するにはコツがあります。この記事では、空気清浄機を使った、ハウスダスト対策のポイントについて、注意点も含めて解説します。

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ハウスダストとは?

ハウスダストとは、1mm以下の肉眼では見えにくい大きさのホコリのことです。空気中に舞い上がりやすく、息を吸い込んだときに体内に侵入し、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりなどのアレルギー症状や気管支喘息を引き起こすことがあります。また、ハウスダストは、アトピー性皮膚炎の原因になることもあります。

ハウスダストの約3分の1は、屋外から侵入してきたものだとされており、風に乗って窓から侵入するものや、衣服やバッグに付着しているもの、靴底に付着している土砂など、さまざまなものを介して家の中に持ち込まれます。また、屋内で発生するハウスダストもあります。

屋外から持ち込まれるハウスダストの例
  • 砂ボコリ
  • 花粉
  • 昆虫の死がい・糞
  • 排気ガス など
室内で発生するハウスダストの例
  • 線維クズ(衣類など)
  • ダニの死がい・糞
  • ペットの毛
  • 花粉
  • タバコの煙
  • カビ
  • 細菌 など

空気清浄機で除去できるハウスダストの種類と使い方のポイント

空気清浄機は、空気中に含まれる不純物・有害物質を除去する家電製品です。空気清浄機が除去できる物質については製品・製造メーカーで違いますが、一般的には、以下の除去が可能といわれています。

  • ウイルス
  • 花粉(スギ、ブタクサ、ひのき、よもぎ、シラカバ、ハンノキ、ブナなど)
  • カビ・細菌
  • ダニ(死がいや糞など)
  • 犬や猫のフケ
  • ディーゼル粉じん
  • 生活臭などの独特な臭い(タバコ、生ごみ、体臭、ペット臭など)

温度・湿度対策もハウスダスト対策のポイント

ダニは高温多湿の環境を好み、気温25℃、湿度75%の環境で最も増殖しやすくなります。このような環境は、カビや細菌も繁殖しやすいです。空気清浄機を使用する際は、エアコン・加湿器・除湿機などを適切に併用し、室温を20~25℃、湿度50%以下を保つようにしましょう。空気が特に、湿度が高くなりやすい場所(押し入れ、タンス、シューズボックスなど)は、こまめに風通しをよくし、除湿剤などで湿度対策することが大切です。

また、空気が乾燥しやすい時期になると加湿器や加湿空気清浄機を使う人もいると思いますが、乾燥する時期であっても過度に加湿をすると、カビやダニは繁殖します。もちろん、空気が乾燥しすぎた状態になれば、肌トラブルや感染症の原因になります。あくまで、室温を20~25℃、湿度50%以下を保つことが大切です。

空気中のハウスダストは空気清浄機だけで除去できる?

結論から述べると、空気清浄機だけで空気中のハウスダストを除去することは難しいです。これは、一度空気中に舞い上がったハウスダストは、再び床・カーペット・畳・寝具・カーテンなどに降り積もり、蓄積していくからです。また、屋外から持ち込まれたハウスダストはどんどん蓄積していきますし、ダニやカビ、ペットの毛・フケなどもこまめに除去する必要があります。空気清浄機である程度のハウスダスト対策は可能ですが、ハウスダスト対策は、こまめな掃除・洗濯も大切です。こまめに掃除機をかける、静電防止効果がある洗濯洗剤・柔軟剤を使う・洗濯物や寝具をしっかり乾燥させるなども徹底しましょう。

おわりに:空気清浄機はハウスダスト対策に有効

空気清浄機はさまざまな種類のハウスダストを除去することが可能なため、ハウスダストを取り除くために有効な装置だといえます。また、加湿器と併用することで空気清浄力の向上につながるため、空気清浄機を購入する際は加湿機能のついているものを選ぶといいでしょう。ただし、掃除機を使ってのフィルター掃除などは、こまめに行うようにしてください。

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