記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/9/19
記事監修医師
前田 裕斗 先生
不妊治療を行う際に痛みはあるのでしょうか?また、痛みを緩和することはできるのでしょうか?
この記事では、不妊治療に伴う痛みについて解説していきます。
検査や治療の不安が少しでも少なくなればと思っています。参考にしてください。
卵管造影検査のときは、卵管に造影剤が通る際に痛みを伴うことが多いようです。
痛み方には個人差があり、生理痛が重くなったように感じる場合や、細いところを無理矢理太いものが通るような痛みを感じる人もいます。中にはあまり痛みを感じないという人もいます。
子宮卵管造影検査は不妊治療の初期に行われることが多く、子宮内部の形、卵管の状態、通気性の異常の有無を調べる検査です。
もし卵管が両方とも閉塞していたならば、自然妊娠でも人工授精でも妊娠は不可能です。また、双角子宮(子宮口や子宮内腔が2つあったり、内腔がくびれている子宮奇形)のような奇形があるときも妊娠が難しくなることがあります。
このような問題を治療前に発見できれば、より適切な治療計画を立てることができます。そのためにも、子宮卵管造影は重要な検査です。受けたことがない方は痛みに不安を感じると思いますが、検査のときは担当医ができるだけ痛みを感じないように工夫してもらえますので、まずは相談してみましょう。
まず初めに子宮口からカテーテルという細い管を挿入します。次に、長さ約10cm直径1mm(細い場所の場合)ほどの卵管に造影剤を注入し、X線(レントゲン)撮影をしてます。造影剤を使ってX線検査をすると、子宮の内側の形や卵管と卵巣の癒着などを確認することができますが、卵管が詰まっている場合はその先へ造影剤がいかないため、造影剤を使った検査がでないことがあります。
排卵誘発剤(HMG注射やHCG注射)は筋肉注射のため、針を通すときにある程度の痛みを感じるでしょう。
ただし、注射が終わるまでの時間はごく僅かのため、耐えきれないほどの痛みにはならないと思います。
採卵の方法によって痛みの感じ方は違ってきますが、一般的に採卵時の痛みの程度は採卵針の太さに比例して増すしていきます。現在は改良が進みより細い針になっているので、以前と比べれば痛みを感じにくいでしょう。なかには、麻酔を使用していない状態でも痛みが気にならないという人もいます。
もし痛みが気になる場合は、麻酔で痛みを抑えることができますので、痛みに不安があるときは担当医に相談してみることをおすすめします。
ただし、採卵の方法によって麻酔の方法も変わってきます。採卵の方法とあわせて、麻酔の方法も事前に確認しておきましょう。
不妊治療で行う卵管造影検査や排卵誘発剤の注射での痛みは、卵管に造影剤が通るときや筋肉注射の針を通すときに起こります。痛みの感じ方には個人差がありますが、ガマンできないほどの痛みではなく、痛みを感じにくいように工夫をしてくれますので、不安があるときは担当医に相談しましょう。
また、採卵のときに麻酔を希望する場合は、麻酔の方法や受ける前の注意点をきちんと確認するようにしてください。
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