気分変調性障害で障害年金はもらえる? もらえない?

2018/8/24 記事改定日: 2019/6/17
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

病気やケガによって生活や仕事が立ち行かなくなったとき、受給できることのある「障害年金」。この障害年金は、気分変調性障害の患者さんでも受け取ることができるのでしょうか?認定基準などに関してご紹介していきます。

障害年金とは

障害年金とは、病気やケガによって生活や仕事が制限されるようになったとき、現役世代の人も含めて受け取ることができる年金の一種です。障害年金には、以下の2種類があります。

  • 障害基礎年金:病気やケガで初めて医師の診療を受けたとき、国民年金に加入していた場合に請求できる年金
  • 障害厚生年金:病気やケガで初めて医師の診療を受けたとき、厚生年金に加入していた場合に請求できる年金

気分変調性障害の人は障害年金がもらえるの?

気分変調性障害とは、軽度の抑うつ気分や自尊心・気力の低下、睡眠障害といった症状がほぼ1日中持続した状態が、2年以上(成人の場合)続く病気のことです。WHOの診断基準「ICD-10」では「気分変調症」、アメリカ精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル「DSM-5」では「持続性抑うつ障害」とも呼ばれています。

気分変調性障害は、障害年金申請の対象疾患となっています。ただし、申請すれば誰でも年金が支給されるというわけではなく、患者さんの日常生活能力の程度や提出書類などによっては、不支給というケースも少なくありません。

まず、気分変調性障害は、認定基準によって下記の3つの等級に分けられます。

1級
気分(感情)障害によるものにあっては、高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
2級
気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり又はひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したり又は繰り返し、労働が制限を受けるもの

まず、障害年金のうち「障害基礎年金」を受給したい場合は、以下の条件をクリアする必要があります。

  • 国民年金に加入している間、または20歳前(年金制度に加入していない期間)、もしくは60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間で日本に住んでいる間)に、初診日(障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)のある病気やケガで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にあること
  • 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
  • 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

一方、厚生年金に加入中、初診日に障害基礎年金の1級または2級に該当する障害の状態になった場合は、障害基礎年金に上乗せして「障害厚生年金」が支給されます。なお、障害が2級に該当しない軽い程度の障害のときは3級の障害厚生年金が支給されます。

つまり、「障害基礎年金」の受給を希望する場合は、先ほどの認定基準の1級あるいは2級の条件を満たしている必要があります。しかし、実際の生活能力が1級・2級相当であったとしても、主治医の作成した診断書の内容やその判定によっては3級と認定され、障害年金を受給できないケースも存在します。

障害年金を受給したいときは、どこに相談すればいいの?

気分変調性障害では、上で述べたようにそれぞれの認定基準に従って障害年金を受給することができます。

受給を希望する場合は、まずは主治医に相談しましょう。申請には初診時の受診状況証明書が必要になりますので、現在かかっている医療機関と初診時の医療機関が異なる場合は、初診した医療機関に問い合わせて証明書を発行してもらう必要があります。
また、初診から1年6か月の状況をまとめた診断書を主治医に記載してもらい、申請書や年金の納付状況などを証明する書類とあわせて社会保険庁に提出します。

申請に必要な書類や手続きの流れなどは非常に煩雑であり、個人で手続するのが難しい場合はかかりつけの医療機関のソーシャルワーカーなどに相談しながら進めていきましょう。

おわりに:気分変調性障害と診断されても、障害年金がもらえるとは限らない

気分変調性障害は障害年金の支給対象の疾患ではありますが、必ずしもすべての人が受け取れるわけではありません。実際の生活能力や医師の判断によっては、支給が必要な等級に満たない可能性もあるので、覚えておきましょう。

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