術後の疼痛緩和にはどんな方法がある?

2018/8/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

手術中は麻酔がかかっていたから気づかなかったけれど、術後麻酔が切れたらひどい痛みに襲われた…なんて経験はありませんか?今回はそんな術後の疼痛に対して、有効な疼痛緩和の方法をお伝えしていきます。

術後の疼痛とは

術後疼痛とは、名前の通り手術後の痛みのことで、急性のものと慢性のものに分けられます。

術後急性疼痛

手術では、切ったところの組織が損傷することで痛みが生じます。この炎症反応による痛みを術後急性疼痛といい、手術から時間が経過し、炎症反応が治まれば痛みは消失します。
術後急性疼痛は手術直後に痛みのピークを迎え、安静時の痛みは1~5日ほどで軽減していきます。

術後慢性疼痛

手術の傷が治ったにもかかわらず、いつまでも消失しない痛みを術後慢性疼痛といいます。術後慢性疼痛の主な原因は手術による神経の損傷で、損傷を受けた神経が脊髄に異常興奮の信号を送り続けることで、脊髄が誤って脳に痛みの信号を伝えてしまうことで発生すると考えられています。

術後の疼痛緩和の方法は?

術後疼痛を緩和する方法は、急性疼痛か、慢性疼痛かによって少しずつ異なります。

術後急性疼痛の治療法

硬膜外鎮痛法
硬膜外腔(脊柱の中にある硬膜の外側のスペース)に細いカテーテルを挿入し、オピオイドや局所麻酔薬を持続的に投与する方法。
静脈投与法
点滴などで静脈にオピオイドを投与する方法。
筋肉注射
痛みがあるときに筋肉注射を行う方法。
末梢神経ブロック法
超音波ガイド下に痛みのもととなる神経走行を確認したうえで、その近くに局所麻酔薬を投与する方法。

術後急性疼痛の治療法

神経ブロック療法
局所の交感神経を遮断することで、痛みを感知しにくくする方法。特に有効とされるのは、硬膜外ブロックです。
抗うつ薬の投与やカウンセリング
術後慢性疼痛の場合は、痛みによってうつ状態を招き、さらに疼痛が長期化してしまうケースも少なくありません。そこで有効なのが、専門医によるカウンセリングや抗うつ薬の投与などの心療内科的治療です。
リハビリや鍼灸
手術で体表面や皮下組織が硬くなったことで血液やリンパの流れが悪化し、痛みを悪化させていたりする場合は、リハビリや鍼灸によって血流を改善することで、痛みが緩和することがあります。

おわりに:術後の痛みも、疼痛緩和でかなり楽に

術後は嫌な痛みが続くもの、というイメージが強いかもしれませんが、現在はこうした本格的な疼痛緩和を行う医療機関も少なくありません。手術による痛みが怖いという方は、その医療機関で行っている疼痛緩和について主治医に尋ねてみることをおすすめします。

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