記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
医療機関などで測定できる「血管年齢」ですが、測定したら実年齢よりも10歳も高かった・・・なんてショッキングな結果になることも少なくありません。この血管年齢を若返らせる方法はないのでしょうか?
血管年齢とは、実年齢とは別の、血管のしなやかさ・硬さを基準とした血管自体の年齢のことです。加齢だけでなく、乱れた食生活や運動不足、ストレスなどの要因によって、血管内にプラークができたり、血管が硬くなったりして(動脈硬化の状態)、血管年齢は徐々に老化していきます。
加齢による血管年齢の老化はある程度は仕方のないことですが、しかし一度老化した血管も、食事や運動量などの生活習慣の改善で若返ることがわかっています。
下記に該当する項目が多ければ多いほど、生活習慣の改善によって血管年齢の若返りが見込めます。チェックの上、対策を実践していきましょう。
血管の内膜には、血液をサラサラに保ったり、有害物質を血管壁に侵入しにくくしたりする「内皮細胞」が存在するのですが、内皮細胞は食生活の改善によって機能が回復するため、血管年齢の若返りにもつながると考えられています。
この内皮細胞の新陳代謝を促進する青魚や、血管の動脈硬化を引き起こす活性酸素を除去する、抗酸化作用の高いトマトやカボチャなどの野菜類や大豆製品を積極的に摂取しましょう。また、血管のプラーク形成の原因となるコレステロールの吸収を抑える、食物繊維を豊富に含む食べ物もおすすめです。
そのほかには、食事の量を腹八分目に留める、塩分やコレステロールの過剰摂取を控える、といったことも大切です。
血管年齢の若返りのために欠かせないのが、運動習慣です。ウォーキングや水泳などの有酸素運動をすると、体内で一酸化窒素の分泌量が増え、血管が拡張します。この一酸化窒素は血管をしなやかにし、動脈硬化を予防する効果があるとされる物質なのです。
また、ストレッチも血管年齢の若返り効果があるとされます。ストレッチで筋肉が伸びると、コラーゲンを生成する「線維芽細胞」が活性化し、柔軟性のあるコラーゲンがつくられることで、血管がしなやかになるといわれているのです。
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、先述の一酸化窒素の分泌を抑制するといわれます。また、喫煙をすると体内で活性酸素が大量発生するため、血管の内皮細胞が損傷してしまいます。
喫煙習慣のある人は、なるべく早く禁煙を始めましょう。
深い睡眠をとっているときに分泌される成長ホルモンは、血管の内皮細胞を修復し、一酸化窒素の分泌力を高める効果があるといわれています。睡眠が不足しがちな人は、睡眠にもしっかり時間を割くようにしましょう。
血管年齢の上昇の背景には、生活習慣の乱れが隠れていることも多いもの。脂っこいものをよく食べていたり、運動不足だったりする人は、ぜひこの機会に生活習慣の改善を始めましょう。血管年齢の測定値でも、嬉しい結果が見られるかもしれません。
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