記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/4
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
いぼ痔の一種「外痔核」とは、どのようなタイプの痔なのでしょうか。痛みの有無や治療方法、手術が必要なのかなど、全般的な情報をお伝えしていきます。
外痔核とは、直腸と肛門の境目より外にできる痔です。違和感を感じやすい場所でもあるので、自分で気が付くことが多いでしょう。
外痔核は肛門周囲の細かい静脈がうっ血することで起こります。外痔核の主な原因は下痢や便秘ですが、急な下痢で何度も排便を繰り返すことでも発生します。
また、急激にできた外痔核は痛みが出やすくなります。特に、痔の中に血栓ができる血栓性外痔核は強い痛みを伴いやすいでしょう。一方、内痔核とともに徐々に大きくなる外痔核は、痛みはほとんどありません。
外痔核は直腸と肛門の境目より少し外側の神経が豊富な場所にできます。そのため、外痔核が急速に腫れ上がった場合には強い痛みを感じます。ただ、内痔核とともに時間をかけてゆっくりと腫れあがった場合には、痛みも弱く表面が破れたり、出血することはほとんどありません。
ところが、血栓性外痔核の場合には、突然パンパンに腫れあがるため表面が破れやすくなります。また、出血することもあるでしょう。なお、外痔核を無理に肛門内に押し込むのを繰り返していると、炎症を起こして腫れあがり痛みも強くなるので、注意が必要です。
腫れあがった外痔核の皮膚は伸びてしまいますが、症状が落ち着いて外痔核が小さくなった後も皮膚は元通りになりません。伸びてしまった皮膚はたるんで余ってしまい、肛門の皮のたるみとなって残ります。このたるみを皮垂といいます。皮垂自体に痛みはありません。
外痔核は多くの場合、薬で治すことができます。具体的には、軟膏や薬を内服することで肛門周囲の循環を改善していきます。腫れが小さい場合には、温めて血行を良くしたり、生活習慣を改善することだけでも痔が小さくなっていくでしょう。
ただし、大きな血栓性外痔核のような痛みの強いものは、薬での治療では痛みが取れず辛い思いをすることがあります。このような場合には、痔核の皮膚を切開して中身の血栓を取り除いたり、外痔核を切り取る手術を行うことで早めの回復を目指します。また、外痔核が内痔核とともに腫れている場合にも手術を行うことがあります。
手術は30分程度で終わることが多く、術後の痛みも少なく後遺症もほとんどみられません。なお、肛門の皮膚が伸びてしまう皮垂は、外科的治療でしか治すことができません。
突然お尻に痛みが走ったときにはどうしたらよいでしょうか?
排便時にひどく出血が見られた場合、たいていは自然に血が止まります。もし止まりにくいときには、ティッシュなどで肛門をしっかりと10分程度押さえましょう。痛みが強いときには、半身浴やぬるめのお湯にお尻を付けて温めて、肛門周囲の血行を良くするとよいでしょう。お風呂に入れないほど痛むときは、下着の上からカイロで温めるだけでも痛みが和らぎます。また、市販薬を使うのも効果的です。
外痔核は、血栓性外痔核では痛みが出やすいですが、多くの場合は痛みも少なく出血も多くありません。薬で治ることも多く、痔が小さければ生活習慣の改善だけでも治すことが可能です。ただし、大きくなったり痛みが強い場合には手術が必要になることもあります。外痔核に気付いたら、早めに受診し小さなうちから治療を開始してください。そうすれば、痛みも少なく体の負担も軽いうちに治すことができるでしょう。
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