IgA腎症を発症する原因は?治療せずにいると悪化しちゃうの?

2018/9/7

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

IgA腎症を発症する原因にはどのようなものがあるのでしょうか?また、治療せずに放置した場合悪化することはあるのでしょうか?IgA腎症の原因や症状について解説していきます。

IgA腎症ってどんな病気?

IgA腎症とは、日本人に最も多く見られる慢性糸球体腎炎です(30%以上を占めるとされます)。腎生検を行うと、糸球体のメサンギウム細胞の増殖や、免疫グロブリン(抗体として作用する:IgA、G、M、D、Eなどの種類がある)の一種であるIgAがメサンギウム領域に沈着している、などの症状を確認することができます。

年齢を問わず発症し、国内においてははっきりとした男女差は見られないとされています。初期の状態では無症状のため、学校や職場で検尿を行った時に偶然、蛋白尿や血尿を指摘されて発覚することなどが多いです。

症状の進行に伴い腎機能が低下すると、高血圧の合併や腎不全が起こり、それらに伴う症状が現れます。また、急性扁桃炎などの上気道炎を合併した場合、コーラに似た色の血尿(肉眼的血尿)が一部の患者さんに認められることがありますが、基本的には自然に改善するとされています。

IgA腎症を発症する原因は?

IgA腎症の患者さんには必ずしもIgAの高値が認められるわけではありません。
しかし、糸球体に沈着するIgAは複数がくっつきあったものであることが確認されており、その沈着したIgAに対して誤った処理を行うとIgA腎症が引き起こされ、個体差や一部家族性などの反応が出現するとされています。そして、そのような状態でIgAの産生が活発になることにより、IgA腎症が悪化するのです。

例えば、IgAが多く存在している咽頭粘膜や扁桃腺などでは、咽頭炎や扁桃腺炎になることによりIgA腎症の悪化が引き起こされます。

一般的にこの病気は遺伝するものではありませんが、一部の患者さんには家族性によるIgA腎症が認められることがあります(家族性IgA腎症)。

IgA腎症を治療せずにいるとどうなる?

IgA腎症の予後は必ずしも良いわけではなく、20年後には30~40%の患者さんが腎不全に至るとされています。これは、慢性的な糸球体の炎症や(持続性の血尿・蛋白尿)、糸球体の硬化が進行することにより、腎機能が低下(老廃物の濾過が困難になる)するためです。

腎機能の活動性を確認するためには、定期的な検尿、血液検査、腎生検を行う必要があります。また、紫斑病性腎炎や肝硬変で見られる二次性IgA腎症は、原発性のIgA腎症とは区別されます。

IgA腎症が悪化する前に病院へ行こう!

IgA腎症の治療は、腎機能や蛋白尿の程度を考慮して、それぞれに合った治療法が行われます。

  • 食事療法は減塩を中心に行い、腎機能低下がある場合は蛋白質の制限も行います。
  • 喫煙習慣のある人は禁煙が必要です。
  • 肥満が認められる人は減量をする必要があります。
  • 運動制限は基本的に必要ないとされています。
  • 薬物療法では、高血圧がある場合はRA系阻害薬を使用します。また、症状に応じて副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬、抗血小板薬、口蓋扁桃摘出術、魚油などを使用することもあります。
  • 扁桃摘出術と呼ばれる、異常IgAの産生を抑制する治療を行った後に、ステロイドパルス療法という糸球体の炎症を抑制する治療を組み合わせた治療法(扁摘パルス療法)を行うことがあります。この治療法は血尿の持続が見られる場合に特に有効とされています。

おわりに:腎機能の低下が進行する前に治療を

IgA腎症は目立った初期症状はほとんどありませんが、慢性的な糸球体の炎症や、糸球体の硬化が進行することにより、腎機能はどんどん低下していきます。悪化する前に病院へ行くようにしましょう。

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